ベルサイユのばら

この声劇用台本は「オスカルとアンドレ」、「フェルゼンとマリー」の
4キャラに絞った構成になっているためストーリー的にかなり
端折った展開になっておりますことを予めお断りします。

全7話

オスカル アンドレ
マリー・アントワネット フェルゼン
第1話 第2話 第3話 第4話 第5話 第6話 第7話
001 乳母 「お帰りなさいませ、お嬢様」
  オスカル 「客?私に?」
  乳母 「はい、夕刻からずっとお待ちでございました」
  ジェローデル 「お久しぶりです、連隊長」
  オスカル 「なんだ、ジェローデルじゃないか。どうした急に、近衛で何か困ったことでもおきたのか?」
  ジェローデル 「いえ、今日はお父上のジャルジェ将軍に私事のお願いにまいりました」
  オスカル 「父上に・・そうか、久しぶりだ、軽くワインでもどうだ」
  ジェローデル 「いえ、私はこれで」
010 オスカル 「なんだ、私を待っていたときいたが・・」
  ジェローデル 「はい、でもあなたの笑顔をひとめ見、それで今宵は満足でごさいます。また、改めまして」
  OP挿入曲 薔薇は美しく散る
  N 玄関でジェローデルを見送ったオスカルは乳母に尋ねた。
  オスカル 「ばあや、ジェローデルは何をしにきたんだ」
  乳母 「ジェローデル様はだんな様にこうおっしゃいました。お嬢様をいただきたい・・と」
  オスカル 「何?」
  乳母 「そして旦那様はよい話だぜひ決めてみたいと、お答えになりました」
  オスカル 「結婚?私が?この間まで私の部下だったジェローデルと。父上が乗り気だと?どこをどう押せばそんなことになるんだ?」

「アラン・ド・ソワソン」、「ジュール・ロセロワ」、「アンドレ・グランディエ」、「ピエール・モーロワ」、「ルイ・マロー」

「以上が本日パリ市内特別巡回にあたる。なおド・マルデン侯爵暗殺事件の情報収集を併せ行うよう。いいな、よし、出発!」

  N 兵達が騎馬で出発する。その時ジェローデルが騎馬で姿を現した。
  ジェローデル 「先日は突然伺い、たいへん失礼いたしました」
020 オスカル 「いいや」
  ジェローデル 「今夜お伺いしたいのですが、ご都合は?」
  オスカル 「今夜は勤務があり、屋敷には戻りません、失礼」
  ジェローデル 「パリは今テロリストたちがいっぱいです。十分気をつけて、私のオスカル・フランソワ」
  N 夕刻、兵舎の門でジェローデルがオスカルを待っていた。
  ジェローデル 「お送りします。いえ、送らせてください」

「あなたが近衛を去られて私は気づきました。いつもあなたのさわやかな声と笑顔を求め澄んだ瞳を追っていた私自身を。そしてたまらなくなって、あなたの父上に申し上げました。あなたをくださいと。愛しています、心から」

「ああ・・こんな月並みな言葉しか言えないなんて・・自分がもどかしい・・お願いです。どうか何か一言、私に言葉を・・・ああ・・吹き抜けていく、胸の中を・・風が・・・もし私が貴族などというしちめんどくさい家柄でなければ、あなたの従僕にでも馬ていにでもなってみせるのに」

  オスカル 「貴族である以上、従僕のことを言う資格はない。あなたにも私にも」
  ジェローデル 「は?」
  オスカル 「失礼、お見送り、ここまでで結構」
  マリー 「オスカル」

「最近は宮廷に出てくる貴族も減って、すっかり淋しくなりました。ルイ・ジョゼフのお葬式を出すお金も無くて、銀の食器や黄金の燭台を処分してしまったのですよ」

「衛兵隊もたいへんな忙しさでしょう。わざわざお礼になど、よろしかったのに」

030 オスカル 「いいえ、重大な軍紀違反をしたからには降等処分も覚悟のうえでございました。しかし、王后陛下のご温情により処分なしと、感謝いたしております」
  マリー 「あたりまえです。あたくしたちはお友達、もう20年も前から」
  オスカル 「は、」
  マリー 「こんな世の中です。お互い嫌な思いをしますね。でも、もうすぐこの騒ぎは収まります。今、フランス全土からパリとベルサイユを目指して王家の軍隊が続々と進軍してきています」

「南フランスから軽騎兵連隊、シヤラントンに駐屯していたロワイヤル・クラバート連隊、ビシーに同じく駐屯していたサリス・サマード連隊など。一堂に集まれば約10万は越えるでしょう」

「フランス国女王として私が命令しました。国民議会を解散させ民衆の暴動に備えるためです。ルイ王朝は不滅です。こんな事で揺らぎはしない」

  N 衛兵隊兵舎、 アンドレがオスカルの執務室のドアを叩く。
  アンドレ 「隊長、間もなくパリ巡回の時間です」
  N オスカルは書類の整理をしていた。彼女はハンカチで口元を押さえ、咳き込みながら答えた。
  オスカル 「すぐ行く。連兵場前に集合しておくように」
  アンドレ 「オスカル」
  オスカル 「夏風邪をひいてしまったらしい。少し熱があるようだ。悪いが今夜の巡回はアランに指揮を取るように言ってくれ」
040 アンドレ 「わかった、あとのことはまかせとけ」
  N アンドレの足音が遠ざかるのを確認すると、オスカルは白いハンカチに目を落とした。鮮血が白い布にしみを作っていた。
  オスカル 「やはり、胸をやられていたのか」
  N 7月に入り次々と王家の軍隊がパリに到着した。ロワイヤル・クラバート連隊はビクトワール広場を閉鎖。事実上広場における民衆の集会を禁止した。

一方ロワイヤル・アルマン連隊はパリからベルサイユヘ通じる道を完全に封鎖、ルイ16世の退位を要求するデモ隊と小競り合いを演じる。サリス・サマード連隊は独自にパリを巡回、夜の外出と集会を厳しく取り締まろうとした。こうして1789年の状況は7月に入って一挙に険悪化した。

町のそこここに銃を持った兵が立ち並び、市民を威圧した。そして、もう一つ重大な問題が起こった。10万を越す軍隊がパリに集まったことからパリ及びその周辺は人口増加による極端な食料不足に陥ったのである。憎悪と飢餓が人々の顔から完全に笑顔を奪い取った。

帰宅したアンドレがオスカルの部屋の扉を開けた。バルコニーに立つオスカルはアンドレに背を向けたまま言った。

  オスカル 「どうだ、アンドレ、パリの様子は」
  アンドレ 「自由が消えた」

「オスカル」

  オスカル 「うん?」
  アンドレ 「何を隠している?」
  オスカル 「何も・・別に・・」
  アンドレ 「俺は片目だがおまえの事だけは何でも見える。いや、見つめていたい。言ってくれ。」
050 オスカル 「明日は私もパリヘ出る」
  N アンドレをバルコニーに残したままオスカルは部屋を去った。パリ市内、デモをする民衆と武装する兵士たち。街は騒然としている。

ベルナールはサン・ジュストの後をつけた。サン・ジュストは路地の出口にオスカルの姿を見とめて足をとめた。オスカルはアンドレとアランを率いてパリを巡回中であった。

  アラン 「隊長、見回りといったって、もう俺たちの仕事はありませんや。クラバート連隊やアルマン連隊が勝手に街角に陣取ってますんでね。まあ、何となくぶらぶら散歩ってとこですな」
  オスカル 「どうなる?」
  アラン 「は?」
  オスカル 「このままいったらどうなる、パリは、人々は・・」
  アラン 「さあてと、行くとこまで行くしかないんじゃないですか。軍隊がパリの町から引き揚げない限り・・」
  オスカル 「暴動ということか」
  アラン 「革命と言ってほしいね」
  オスカル 「革命?・・革命・・か・・」
060 アンドレ 「どうした、オスカル?」
  オスカル 「誰かがこの中から我々の様子を伺っているような気が・・・」
  アラン 「調べてみますか」
  オスカル 「いや、気のせいだろう」
  N 続けて巡回中のオスカルたちは武装した兵によって行く手を遮られた。

「止まれ!この先のバンドーム広場は閉鎖した」

  オスカル 「私たちは現在パリ市内を巡回中である。道を空けられよ」
  N 「引き返せ。この先はクラバート連隊が抑えた。巡回の必要はない」
  アラン 「おいおい、いい加減にしろ。この軍服が見えねえのかよ。同じフランス陸軍のお仲間じゃねえか」
  N 「誰も通すなとの命令を受けている。引き返されよ!」
  アラン 「この石頭、どけってのがわからねえのか!」
070 オスカル 「よせ、アラン。我々が迂回すればすむことだ」
  アラン 「そうですか・・隊長がそうおっしゃるのなら仕方ねえ・・」
  N アランは兵士の腹に膝蹴りをした。兵士は腹を押さえてうずくまった。
  アラン 「どうした?腹痛か?はははは、覚えとけおまえらにパリは似合あわねえ。田舎者は駐屯地へ帰って羊でも相手にしてりゃいいんだ」
  N 「なにい・・野郎、言わせておけば・・やっちまえ!」
  オスカル 「やめろ!アラン!」
  N オスカルの制止を聞かずに、アランは兵士たちと乱闘を始めた。セーヌ川の水にハンカチを浸して、アランが顔の傷を冷やしている。
  アラン 「いてて・・いて・・・」
  アンドレ 「大丈夫か、アラン・・」
  アラン 「かすり傷、どうってことはねえ。久し振りにすかっとした」
080 オスカル 「アラン」
  アラン 「はい」
  オスカル 「皆を集めて兵舎に戻ろう。おまえの言う通り、我々の巡回は無意味だ」
  アラン 「隊長」

「さっきの話の続きですがね、もし、革命になったら勝つのは民衆ですよ。御覧の通り、軍はばらばらだ。長いこと飢えと闘ってきた民衆に太刀打ちできるはずがねえ」

  N ベルサイユ宮の庭園
  オスカル 「何とぞ、軍隊にパリ市内よりの撤退命令をお出し下さい。どうあろうと、王室と国民とが殺し合うような事になってはなりません」
  マリー 「オスカル、もし、そうなったならば、あなた私を守ってくれますね」
  オスカル 「私は‥もはや、近衛を辞めた身でございます」

「軍をお引き下さい、王后陛下。王室がご自分の国の民に銃を向けてはなりません」

  マリー 「それは‥できません、オスカル」
  N これ以上何を言ってもアントワネットの意思を変えることはできないのだと、オスカルは唇をかみ締めた。彼女は一礼すると立ちあがりアントワネットに背を向けた。
090 マリー 「オスカル・・なぜ、涙を?まるで‥もう、これきり会えないみたいに・・・」

「オールボワール」

  N オールボワール、また会いましょう。しかし、これが永遠の別れであることはアントワネットもオスカルも判りすぎるほど判っていた。一国の女王という壁は温め合った友情ですら、遂に越えることができなかったのである。

衛兵隊宿舎、 アンドレが寝台で日記を書いている。朝が早いので、他の兵士たちは皆眠っている。

  アンドレ 「1789年7月12日、朝。昨日大蔵大臣ジャック・ネッケル氏が罷免された。そして、愛国者虐殺のデマが飛び、民衆が武装を開始した。

パリにもう昼と夜の区別は無い。人々は棒を持ちナイフをかざし、路地裏を走り回る。パリに集められた10万の軍隊が、かがり火をたき、市民を怒鳴りつける。混乱そして疑惑、これが新しい時代の胎動なのだろうか。

輝ける明日のための何かなのだろうか。わからない。わからないが見つめよう、この時代の節目を、俺の右目で、もうほとんど見えなくなりかけた俺の右目で。

  N ジャルジェ邸、 オスカルが寝台に横たわっている。彼女は昨夜、ラソンヌ医師を訪問した。
  医師 「これは・・オスカル様」
  オスカル 「ラソンヌ先生、夜分遅く申し訳ないが診察をお願いしたい」
  N 診察が終わり、医師は聴診器を置いた。シャツを閉じると、軍服に袖を通しながらオスカルは言った。
  オスカル 「覚悟はできています、先生。真実を述べて下さい。自分の事は、はっきりと知っておきたい」
  医師 「風邪が長引いておられるようですが、別に心配はありません」
  オスカル 「血を吐きました、これまでに何度も。胸をやられているのは自分でもわかっています。私が知りたいのは、あとどれほど生きられるかということです」
100 医師 「結核は治らぬ病気ではない。いい空気と静かな環境の中で自然に治った例を私はいくつも知っていますよ」
  オスカル 「先生、私とて死にたくはありません。しかし、いずれその日が来るならば、それまで精一杯に、生きたいのです。自由に、そしてあるがままの心で」
  医師 「私は代々ジャルジェ家のお世話になった医者でございます。あなた様が熱をお出しになった3歳の時のことも、昨日の事のようにはっきりと覚えております。それ故に申さねばなりますまい」

「今すぐ軍をおやめになり静かなご領地にお帰り下さい。何も考えず、仕事もなさらず、ただひたすら日の光を浴びて、神のご加護をお待ち下さい。このままでは長くて半年のお命でございます」

  オスカル 「ありがとう、ラソンヌ先生、感謝します」
  医師 「オスカル様、あの‥アンドレの具合はどうでしょうか。ここの処、私の所へ来ませんので心配なのです」
  オスカル 「アンドレ?アンドレの具合?」
  医師 「えっ!アンドレはまだ、ご主人のあなたに話していなかったのですか」
  オスカル 「どういうことです。話してください」
  医師 「アンドレ・グランデイエが失明するのは時間の問題です」
  オスカル 「アンドレ・・・」
110 N 窓からは朝の光が射し込んでいる。夜が明けてもオスカルの心は暗い闇に満ちている。その闇の重さにオスカルは押しつぶされそうな自分を感じた。

衛兵隊兵舎に出仕したオスカルは、アンドレを執務室へ呼び出した。
  アンドレ 「アンドレ・グランデイエ、入ります。何か御用ですか、隊長。パリの状況は益々悪化、民衆の声がこの宿舎まで聞こえてくるようであります、なあんて・・ははは・・」
  N アンドレはいつもオスカルが座っている執務机に向かって話している。オスカルは壁際に立ち、アンドレの横顔を見つめていた。
  アンドレ 「オスカル、オスカル?」

「何だあいつ、人を呼び付けておいていないなんて」

  N アンドレが立ち去ると、オスカルは彼が消えた扉を呆然と見つめた。
  オスカル 「アンドレ、おまえにはもう、私すら見えないのか」
  N オスカルは兵舎の中庭でアンドレを待った。ことさら明るい話し方で嘘をついた。
  オスカル 「アンドレ、私の部屋へ行ったのか。すまなかった、用事で部屋を留守にしていたんだ」
  アンドレ 「いや・・」
  オスカル 「今日は勤務はない、命令待ちだ。一緒に屋敷に戻ろう」
120 アンドレ 「しかし、命令待ちならば、俺はみんなと一緒にここに」
  オスカル 「供をしてほしい、たまにはな。屋敷までの道は、もう一人では物騒だからな」
  N 一日が暮れようとしている。部屋にはオスカルとアンドレしかいない。絵の前に立ち、アンドレは見えない目を凝らして、オスカルの像を探した。
  アンドレ 「美しい、たとえようもなく。輝くおまえの笑顔がこの世の光をすべてその身に集めているようだ。特におまえのブロンドの髪に置かれた月桂樹の冠が鮮やかだ」
  N オスカルは心の中でそっと呟いた。
  オスカル 「アンドレ、無理をしなくてもよい。おまえの目が見えないのはわかっているんだ。その絵の私は月桂樹の冠など被ってはいない」
  アンドレ 「白いばらが一つ、二ついや、野原一面に・・どこの森だろう、そうか、いつか行ったアラスの泉のあたりだ。そうだよな、オスカル」
  オスカル 「そうだよ、アンドレ。画家のアルマンはわざわざアラスまで行ってスケッチをして来たと言っていた」
  アンドレ 「すばらしい絵だ。おまえの優しさ、気高さ、そして喜びまでもすべてが表現されている。忘れない、俺は・・この絵にかかれたおまえの美しさを決して忘れない」
  オスカル 「ありがとう、アンドレ・・ありがとう」
130 N 厩舎でアンドレが自分とオスカルの馬の用意をしている。気配にアンドレが振り返ると、入り口に人影があった。アンドレはその人影をオスカルと見誤った。
  アンドレ 「鞍の用意はできた。もう、いつでも出られるぞ」
  N 人物はアンドレに近寄った。ジャルジェ将軍だった。
  アンドレ 「あ、だんな様、これは失礼を」
  ジャルジェ将軍 「アンドレ」
  アンドレ 「はい」
  ジャルジェ将軍 「明日、出撃するそうだな」
  アンドレ 「はい」
  ジャルジェ将軍 「明日か明後日かは分からぬが私もいずれ出撃する」
  アンドレ 「は・・」
140 ジャルジェ将軍 「万に一つ、おまえとは今日限りということも有りうる」
  アンドレ 「はい」
  ジャルジェ将軍 「一言だけ私の気持ちを伝えておきたい。もし、おまえが貴族ならば、私は間違いなくおまえとオスカルの結婚を許していたろう。いや、心からの祝福を送っていたはずだ」

「死ぬなよ、アンドレ。必ず戻ってこい」

  アンドレ 「もちろんです。だんな様」
  N オスカルとアンドレは騎馬で衛兵隊兵舎へと向かった。二人は武器を求めて奇声をあげる民衆を目にして馬をとめた。暴徒は石や棒を二人めがけて投げつける。その一つがアンドレの頭に当たった。

気を失いかけたアンドレの馬の手綱を取り、オスカルは川の反対岸へとたどりついた。二人はかろうじて暴徒から逃げることができた。空には満月がかかっている。二人は馬を引きながら森の中を兵舎への道を探していた。アンドレの傷を労わって、オスカルが尋ねた。

  オスカル 「大丈夫か、アンドレ、頭の傷は?」
  アンドレ 「ああ、大丈夫だ。どうという事はない」
  オスカル 「よくも今まで私をだまし続けていたな」
  アンドレ 「え?」
  オスカル 「右目のことだ。ラソンヌ先生に聞いた。もうほとんど見えないんだろう」

「やはり、もう一度屋敷へ戻ろう。明日のパリヘの出動におまえを連れて行くわけにはいかない。おまえをばあやに返し、宿舎へは私だけ戻る」

「そうしてくれ、アンドレ。おまえに万が一のことがあってはいけない」

150 アンドレ 「俺は行くよ、オスカル」

「今までもそうだったが、これからもそうだ。俺はいつもおまえと共にある」

  オスカル 「アンドレ、私はかつてフェルゼンを愛した。おまえに愛されているのを知りながらもフェルゼンを愛した。そんな私でもなお愛してくれるのか」
  アンドレ 「すべてを、命ある限り」
  N オスカルの瞳にみるみるうちに涙が溢れる。オスカルはアンドレの胸に顔を埋めた。
  オスカル 「ああ‥アンドレ、アンドレ‥愛しています私も、心から・・・」
  アンドレ 「わかっていたよ、そんな事は、もう何年も前から。いや、この世に生を受ける前から」
  N そして唇に唇が重ねられ、二人の吐息が一つになる。アンドレは胸の中に抱え込むようにオスカルを抱きしめた。
  オスカル 「アンドレ・グランデイエ、あなたがいれば私は生きられる。いえ、生きていきたい」
  N 今、オスカルはアンドレ・グランデイエの妻となった。
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