キム次長（ミニョンの部下であり先輩）

ミヒ（ジュンサンの母）

ユジンの母

チェリン・チンスク・ヨングク（同級生）

サンヒョクは、ジュンサンとユジンが絶対に結ばれない運命なら、自分が君を守りたいとユジンに告げる。ユジンとやり直したいと、ジヌに強力を頼むが、ジヌからジュンサンが自分の息子であることを告白される。サンヒョクは、ユジンと一緒に留学すると言い、ジュンサンにもユジンを説得するよう詰め寄る。ジュンサンはユジンを呼び出し、会うのは最後にしようと言って別れる。ジュンサンが事故の後遺症で命の危険があり、アメリカで手術を受ける事を知ったサンヒョクは、ユジンを連れて空港に急ぐ。

「でも、今言ったことは僕の本心なんだ。考えてみてくれ・・・待ってるから。いつでも、いつでも僕は君を待ってるから」

サンヒョクの家の前。車を止めるサンヒョク。胸が締め付けられるように苦しそうだ。ため息をついて車から降りる。家の中では、父親のジヌが病院で渡された書類をじっと見つめている。そこへノックの音がする。ジヌはあわてて書類を隠すと、サンヒョクが入ってきた。

「母さんに反対されてるだろうってことはわかってる。でも、このままユジンを放っておきたくないんだ。父さん、力になって欲しい」

朝、ユジンの家。ユジンが食卓について何かをしたためていると、チャイムが鳴った。

「こんなに朝早く、どうしたの？（変に思うが）・・入って」

「（きっぱりと）考えてみたんだけど、君を一人で留学に行かせたくない」

「僕も一緒に行く。会社には辞表を出せばいい」

建設設計会社マルシアン。理事であるジュンサンが入ってくると秘書から来客を告げられた。ジュンサンがドアを開けて入ると、サンヒョクが怖い顔をして待っていた。ジュンサンの顔色が変わった。

「（目を話さずに）どうせ君は、ユジンとは許されない間柄だ。そうだろう？」

「だから協力してくれ。ユジンは君の言う事なら聞くはずだ。僕と一緒に留学に行くように言ってくれないか」

「・・・お前のせいで僕がどれほど傷ついたと思ってるんだ。（我知らず語気を荒げて）おまえが僕の家をめちゃくちゃにしたんだ！」

「だから・・・だから、そんな話をしたんだな」

サンヒョクの家の居間。ジヌが居間に行くと、サンヒョクが玄関から入ってきた。サンヒョクはそのまま自分の部屋へ上がろうとした。

「・・・・ちょっと、座りなさい」

「サンヒョク・・・許してくれとは言わない。おまえとおまえの母さんにどんなに言葉をつくしたところで、私の罪は消えないだろう。だが、ジュンサンに関しておまえに言ったこと、この父親としての気持ちだけは、わかってくれないか？」

「なんとか言ってよ。それはいったい、なんなんだ！」

「ジュンサンに会ってきた。ジュンサンも僕たちに力を貸すと言ってくれたよ」

病院の診察室、医師がレントゲンの写真などの診察記録を探している後ろに、ジュンサンが立っていた。

《せりふ：医師》
「よく決断してくれました。アメリカで手術を受ける方がいいでしょう。（診察記録を渡しながら）おそらく、あちらの病院でまた検査を受けることになるでしょうが、その時にこの記録が参考になると思います。足りないものが出てきたら、ご連絡ください」

《せりふ：医師》
「病は気から、と言うではありませんか。気をしっかり持って、治療に専念してください」

ジュンサンのオフィスでは、ジュンサンがユジンからもらった家の模型をじっと見つめていた。そっと手を触れながら見ていると脳裡に医師の言葉がよみがえった。

回想《せりふ：医師》
「すぐに手術を受けなければなりません。血腫が危険な位置にあるので、このまま放置しておけば眼球が圧迫されて視力を失うこともあります」

ジュンサンは何かを思いついたように立ち上がるとテーブルに紙を広げ、模型を見ながら一心不乱に図面を引き始める。時間が刻々と過ぎて行く。ついに図面が完成した。空が白々と明けて来ていた。ジュンサンは大きく息をついてイスの背にもたれかかる。その時ノックの音がしてキム次長が入ってきた。

「ユジン？」

喫茶店。ユジンとジュンサンが向かい合って座っている。

「ユジン」

「君に初めて会った時、本当にかわいいと思った。こんなかわいい子がいるんだ、って本当に驚いたよ。そして・・・１０年後に再会した時も、生き生きとしてる姿がまぶしかった。君は・・君はそんなふうにいつも輝いてたのに、僕はそれを守ってあげることもできなかった。悲しませてばかりで」

「一つお願いがあるんだけど、聞いてくれる？」

「どんな事でも聞いてくれる？」

「・・・・僕のためだ。僕のためにそうしてくれ。僕のために、君が幸せになれるように努力してほしい」

ユジンの家の前。ジュンサンの車が止まった。二人はしばらくそのまま座っていたが、ジュンサンが先に降り、ユジンの側のドアを開けると、ユジンも車から降りた。

「あの海辺での幸せな思い出を最後に、もう会わないで、お互いの笑顔だけを覚えていよう」

ジュンサンの目からも涙がこぼれ落ちる。

「さよなら」

ユジンはドアを後ろ手に閉めたままその場に立ち尽くして涙を流していた。やがてずるずるとその場に座り込みユジンは泣きじゃくった。