SPASE ADVENTURE
COBRA
刺青の女 編
001 | N | 左腕にサイコ・ガンを持つ男、コブラ。大宇宙を駆け巡る一匹狼だ。未知の財宝と危険な冒険を求めて宇宙をさすらう海賊だ。宇宙の裏社会でその名を知らない者はいない。
キャプテン・ネルソンの隠し財宝を求めて、その秘密を握る三つ子の姉妹を探すことになった。一人目はジェーン。そして、二人目の消息を求めてシドの刑務所へ潜入したコブラだったが、この刑務所は海賊ギルドが支配していた。 シドの刑務所からキャサリンを救出したのもつかの間、ターベージによって操られたジェーンによってキャサリンは死んでしまった。そして、ジェーンもまた、ターベージの植え込んだ種子によってその命を落としてしまった。 コブラの反撃が始まった。 |
クリスタルボーイ | 「ヤツは市街などにはいない・・郊外のできるだけ人目のつかぬ地域だ」
「砂漠地帯・・・そうだ、あそこには古代の遺跡がある・・そうだ・・遺跡だ・・」 |
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レディ | 「コブラ!宇宙港へ一人でのりこむなんて不可能だわ。クリスタル・ボーイの親衛隊は100名もいるのよ」 | |
コブラ | 「あいにく今夜のオレはちょっと気がたっていてね・・」
「クリスタル・ボーイの首を食いちぎりたくてたまらないのさ!」 |
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N | コブラはエアバイクのスロットルをいっぱいにまわし、エンジン音も高らかに、タートル号から飛び出して行った。
ここはシド宇宙港第1格納庫の中、警戒中の兵から0−2地区でコブラを発見。ゲルファイター4機を破壊したと北北東へ向かったと通信が入った。 |
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クリスタルボーイ | 「フフフ・・コブラめ。親衛隊の追跡を知って逃げ出したか。逃がしはせんぞ、0−2地区へゲルファイターを終結させろ。ヤツを包囲するんだ」 | |
N | 砂漠地帯0−2地区を疾走しているエアバイクを警戒していたゲルファイターが発見した。エアバイクは時速280マイルで渓谷へ向かっていた。 | |
クリスタルボーイ | 「クッククク・・渓谷へ逃げ込むつもりか。コブラめ血迷ったか。あそこは左右が切り立った絶壁で裏は行き止まりだ。おまけにキサマのエアバイクとゲルファイターの速度では比べものにならんわ!」
「コブラよ、もうキサマに逃げ道は無いぞ!!」 |
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N | 渓谷を疾走するエアバイク。ゲルファイターが一斉攻撃を仕掛けた。バイクは被弾し、失速して渓谷の岩肌へ激突すると火を噴き、爆発した。 | |
010 | クリスタルボーイ | 「バカ者!誰が殺せと言った。生け捕りにしろと言ったのだ。ヤツガ死んではイレズミの女の写真が手に入らなくなるではないか!」 |
N | その時、ゲルファイターの頭上にタートル号がのしかかるように現れた。タートル号は渓谷の左右の岩肌にレーザービームを発射しながら飛行していく。巨大な岩が削り取られ、はがれてゲルファイターの上にゴロゴロと転がり落ちる。岩に当たったゲルファイターは潰れ、ひしゃげ、互いにぶつかり合って大破し炎上していった。 | |
レディ | 「ふふふ・・上手く誘いにのってくれたわ。あのエアバイクはわたしがリモートコントロールしていたのよ」
「さあ、これでクリスタル・ボーイの親衛隊は片付けた。ヤツは裸も同然よ。あとは任せたわよコブラ!!」 |
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クリスタルボーイ | 「しまったあ・・やられた!!・・まんまといっぱい食わされたか!ヤツは最初からオレの主力部隊を潰すのが目的だったのだ!・・おとりとも知らずに戦力のほとんどを向けてしまったとは・・」
「ううっ・・残るはここにいる10名にもみたない部下だけか・・」 「な・・・なんだあの音は?」 |
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N | 超マイクロ鋼でできた、分厚いドアの向こうから巨大なハンマーで殴りつけるような大きな音が響いてくる。みな、不気味に顔を見合わせている。その中で、クリスタルボーイが気を吐いていた。 | |
クリスタルボーイ | 「バカめ!!コブラ一人にうろたえるな!」
「この格納庫は壁もドアも厚さ4インチの超マイクロ鋼でできているのだ!重戦車の突進さえもはね返すというシロモノだ。破れるものか!!」 |
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N | クリスタルボーイたちの見守る中、超マイクロ鋼の扉が真っ赤になってきた。 | |
クリスタルボーイ | 「なに!?原子砲をつかってもへこますのがやっとというこのドアを!?」 | |
N | 真っ赤になった扉が丸く穴をあけて解け落ちた。熱気と煙の充満するその向こう側に蜃気楼のようにぼんやりと人影が見える。 | |
コブラ | 「どうしたクリスタル・ボーイよ・・・・オレを探してたんだろう?もっと嬉しそうな顔しろよ」 | |
020 | クリスタルボーイ | 「クッククク・・度胸がいいと誉めたいところだが・・おまえはまったく信じられないようなおっちょこちょいの3枚目だぜ。飛んで火にいる夏の虫とはキサマのことだ!」 |
コブラ | 「ああ・・おっちょこちょいなのは認めるがね。しかし、三枚目ってえのは気にくわんな。それに夏の虫は手から火なんかふかないぜ」
「おれの左腕は今にもおまえのそのガラス細工の体に穴を開けたがっていていて堪らないんだ」 「だがね、その前に一つだけ聞きたいことがある」 |
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クリスタルボーイ | 「ほほう、それはまたどんな質問かな?」 | |
コブラ | 「そらとぼけてるとこの左手が勝手に動いてあんたの頭を粉々に砕いちまうぜ・・」
「答えろ!刺青の女にまつわる財宝。つまりネルソン・ロイヤルの隠し財宝は金にしてたかだか1000万クレジットってとこだ!あんたらギルドにしてみればスズメの涙ほどの金と思うがね。それをなぜ、血まなこになって探し回る必要があるんだ」 |
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クリスタルボーイ | 「財宝だと?・・・クッククク・・・・ワッツハハハハハ・・」
「こいつはお笑いだぜ。おまえは宝探しをしていたつもりらしいな・・・」 「聞けい!ネルソン・ロイヤルの財宝とは黄金でも宝石でもないわ!それこそ古代火星人がいにしえに作りえた恐るべき力。それを操るものは全宇宙をも支配できるという・・・あの火星古代記に伝えられる最終兵器なのだ!!」 |
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コブラ | 「最終兵器だと!?」 | |
クリスタルボーイ | 「ネルソンの三人の娘の背中の刺青を合わせてできあがる地図こそ、その兵器の隠し場所だ」 | |
コブラ | 「そうか・・・どうやら読めてきたぜ。おまえはギルドの命令というより自分自身でそれを手に入れたがっているんだな」 | |
クリスタルボーイ | 「クッククク・・まあ、好きなように考えるさ」 | |
コブラ | 「なーーにが最終兵器だ。そのために死んだ二人のグラマー美人のほうがよほど価値があったぜ」 | |
030 | N | その時、クリスタルボーイの部下たちが一斉にレイガンを撃った。レーザービームが雨のように降り注ぐ。それをすり抜け、サイコ・ガンが火を噴きバタバタと、クリスタルボーイの部下たちを撃ち倒していく。部屋の明かりが消え真っ暗になった。クリスタルボーイは、その隙に宇宙港の屋上の発着場へ逃げていた。コブラはあとを追った |
コブラ | 「えーと、発着場は・・・と・・ここだな」
「くそ!どこだボーイ。出てきやがれ!」 「・・・・・・返事が無いね・・・・いいんだいいんだ隠れていればいいさ・・・ほーら、おまえの探していた第一、第二の刺青の女の写真だぜ・・・・これを燃やしちまってもいいってんだな」 |
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クリスタルボーイ | 「やめろ!」
「クッククク・・やはりおまえは三枚目だな!キサマを生かしておいてやったのはその写真の在り処を聞き出すためだ!それをすすんで自分のほうから教えてくれるとはな」 |
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コブラ | 「おっと、早まるなよ。やるとはいってないぜ」 | |
クリスタルボーイ | 「バカめ!キサマが死ねば同じことよ」 | |
N | コブラが先を制し、サイコ・ガンを撃った。立て続けに10発連射した。サイコ・ガンのエネルギー波がクリスタルボーイを襲った。 | |
コブラ | 「サ・・サイコ・ガンが素通りする・・・」 | |
クリスタルボーイ | 「クッククク・・オレがなぜクリスタル・ボーイと呼ばれているのかこれでわかったろう。オレのボディーは特殊偏光ガラスでできている」
「あらゆるレイガンもオレには無力なのだ。おまけに強度は超合金以上!!オレこそ不死身のスーパーマンってわけだ。クッククク・・」 「死ねいコブラ!!」 |
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N | クリスタルボーイはコブラめがけて強烈なショルダーアタックをぶちかました。まともに受けてコブラは、後方へ吹っ飛ばされ、激しく壁に激突した。 | |
コブラ | 「・・・すげえ!ショルダーアタックだ・・・あんた殺し屋なんかやめてスーパー・ボウルにでも、でたら?」 | |
040 | クリスタルボーイ | 「クッククク・・しぶといヤツだ。ほとほと感服するぜ」
「しかし、その軽口をいつまでたたいていられるかな」 |
N | クリスタルボーイの右手のカギ爪がコブラめがけて打ち出される。コブラは転がるようにしてよける。クリスタルボーイのカギ爪がコブラのサイコ・ガンをつかみ、そのまま、コブラを天井高く放り投げた。
コブラは天井につるされていた、荷物の移動用のワイヤークレーンにしがみついた。反動でコブラの体が左右に大きく振れる。 |
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コブラ | 「オレは高所恐怖症なんだよ!タンマ!オレが降りるまでお茶でも飲んで待っててくれ」 | |
クリスタルボーイ | 「お遊びはおしまいだ。降ろしてナマスにしてやる」 | |
コブラ | 「今のは取り消すよ。もっとぶら下がっていたい・・・高いところが好きなんだ」 | |
N | クリスタルボーイが右手のカギ爪を大きく広げるとカギ爪の付け根からレイガンが飛び出した。クリスタルボーイはコブラめがけレイガンを撃った。レーザービームはコブラの掴んでいたクレーンのワイヤーを撃ちぬいた。コブラは停船中の宇宙船の上へ背中から落下した。 | |
コブラ | 「確かにヤツにはレーザーやサイコ・ガンは効かないらしいが・・・しかし、こいつならどうかな」
「パイソン77のマグナム弾を試してやるぜ」 |
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N | パイソン77から発射された弾は、クリスタルボーイの特殊偏光ガラスの体を撃ちぬいた。クリスタルボーイはその反動で、仰向けに倒れこんだ。 | |
コブラ | 「ほほう・・きまっちゃったね。どうやらナマリ弾はようく効くらしい」 | |
クリスタルボーイ | 「リボルバーとは恐れ入ったぜ。まさかそんな博物館入りのシロモノを持ち歩いていようとはな・・」
「クッククク・・だが今度はオレをうまく狙えるかな・・」 |
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050 | N | クリスタルボーイの体がブレて分かれていく。瞬く間にその数は10を超えた。分身したクリスタルボーイは、コブラの周りを円を書くように回りながらレーザービームを撃ってくる。 |
コブラ | なーにが。安っぽい手品だぜ。そんなんじゃお昼のワイドショーにもでられやしない。自分の体を使って自分の姿を反射投影してるだけじゃないか」 | |
N | コブラが投げたクレーンの鉤に一体のクリスタルボーイが反応した。コブラのパイソン77が狙い撃つ。クリスタルボーイは床に開いた格納庫の穴へ落ちていった。 | |
コブラ | 「穴があったら入りたいってのを地でいってるね。殺人業者の誇りを傷つけちゃったかな」 | |
N | クリスタルボーイの落ちた穴から重低音のエンジン音が聞こえてくる。やがて穴から小型飛行艇が浮き上がってきた。操縦しているのはクリスタルボーイだ。小型飛行艇は穴から完全に浮上すると急加速しコブラめがけて直進してきた。小型飛行艇に跳ね飛ばされ、コブラはもんどりうって転がった。 | |
クリスタルボーイ | 「クックク・・手をやかせやがって。おとなしく渡せばいいものを、キサマが最終兵器を手に入れたところで所詮、ネコに小判というもんだぜ」
「オレこそ最終兵器の力によって全宇宙を支配するにふさわしい男」 |
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コブラ | 「いよう、かっこいい大統領!・・・ついでにハムレットでもやってくれよ・・」 | |
クリスタルボーイ | 「キ・・キサマ、まだ生きていたのか・・ククク・・恐れ入ったぜ。たしかにおまえは常人離れした人間だよ。並みの体力じゃない。不死身と呼ばれているのもまんざらウソっぱちではなさそうだ」 | |
コブラ | 「よせよ!誉められるとほっぺたが赤くなる」 | |
クリスタルボーイ | 「だが・・・オレには勝てんのだ・・・」 | |
060 | コブラ | 「どうかな、いっちょ賭けてみるかい」 |
N | コブラは左腕を前に突き出し構えた。その腕には義手がはめられている。 | |
クリスタルボーイ | 「な・・・なんの真似だ!・・バカめ!血迷ったかコブラ」
「賭けはきさまの負けだぜ!!」 |
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N | 小型飛行艇が猛然と突っ込んでくる。コブラの腕がサイコ・ガンのエネルギー波に乗せられて打ち出される。小型飛行艇はコブラをかすめて飛んでいく。 | |
クリスタルボーイ | 「クックククク・・・・・ククク・・・そんな手が・・・・残って・・・・いたとは・・・な・・・・」 | |
N | クリスタルボーイの体がぐらっとゆれてのけぞる。その腹にはコブラの左手の義手が深々と突き刺さり、背中まで貫通していた。クリスタルボーイは小型飛行艇から落下し砕け散った。 | |
コブラ | 「こんな手で悪かったね・・・切り札ってのは最後まで見せないもんだぜ」 | |
N | 惑星ルールジュ。避寒地イザカルー。宇宙空間に浮かぶ占いの館の主、ミズ・マドウの占いによれば、ここルールジュ星の女海賊スノウ・ゴリラの一員として、探す第三の刺青の女がいると言う。 | |
コブラ | 「さて・・と・・どうやってスノウ・ゴリラに会うかだが・・・ダンスパーティーの招待状でも送ろうかな」 | |
レディ | 「コブラ、一つだけ方法があるわ。あれ・・あの雪上バスよ」 | |
070 | N | アーマロイド・レディが窓の外を指差した。 |
コブラ | 「ほう!こりゃまた、やけに重装備だな。バスって言うよりまるで装甲車だ」 | |
レディ | 「わたしも変だと思って探知機で中を探ってみたの。なんと・・・後ろの車両には現金が詰まっていたわ」 | |
コブラ | 「なにっ金だって!?」 | |
レディ | 「ああやってこの避寒地で売り上げた金を、月に一度、町まで運ぶのよ」 | |
コブラ | 「なるほどね・・客の輸送も兼ねた現金輸送車ってわけだ。西部の駅馬車ってところだね」 | |
レディ | 「でも・・海賊の襲撃を避けるためにバスのルートは一定しないで、その時の運転手に任されているわ」 | |
コブラ | 「お〜〜〜お、こりゃスノウ・ゴリラの格好の獲物だぜ」 | |
N | コブラは覗く双眼鏡の向こうに、ある男の姿を見つけた。 | |
レディ | 「どうしたのコブラ?」 | |
080 | コブラ | 「珍しいヤツに会ったぜ・・毒グモのジョー。海賊ギルドの殺し屋さ・・」
「ルートは決まってないと言ったな・・しかし、客の中にそいつを知らせるヤツがいたらどうする。こいつはスノウ・ゴリラに会えそうな気がしてきたぜ!」 |
N | 深く降り積もった雪上を、巨大なキャタピラで掻き分けながら、雪上バスが走っている。その中にコブラの姿があった。スノウ・ゴリラの縄張り、死の谷を通りかかったとき、ヤツラが襲ってきた。雪上バスからパルスレーザーを発射。その弾幕をすり抜けて、スノウ・ゲリラは迫ってくる。
バスの中ではコブラが毒グモのジョーの首をねじ上げている。ジョーはギルドの命令で指令を届に来た使者だった。それと併せて、雪上バスのルートをスノウ・ゴリラに知らせために乗り込んでいた。 コブラの一撃で毒グモのジョーは気絶した。 |
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コブラ | 「ギルドの身分証と通信機は頂いていくぜ・・・ただの使者ならヤツらも顔は知るまい」 | |
サンドラ | 「わたしはスノウ・ゴリラの隊長のサンドラ。あなたがギルド本部からの使者ね」 | |
コブラ | 「美人のお出迎えとは実に結構ですな」 | |
N | スノウ・ゴリラのアジトは死の谷の山の頂きにあった。外はブリザードが荒れ狂っている。 | |
コブラ | 「驚いたな。スノウ・ゴリラの巣がこんな見晴らしのいい所にあるとは・・よくもまあ、銀河パトロールにみつけられないもんだな」 | |
サンドラ | 「フフフ・・・カモフラージュはしてあるわ。この基地の周囲10キロ四方は、人口のブリザードに包まれているのよ」 | |
コブラ | 「なるほどね、レーダーを使っても電波が乱れてここを探し出すことはできないってわけか・・」 | |
サンドラ | 「それより用件を早く済ませましょう。まず、ギルド本部からの指令書を頂くわ」 | |
090 | コブラ | 『指令書・・・!?いけねえ・・そんなものがあったのか・・あの殺し屋から奪ったのは時計型通信機と身分証だけだが・・ほかに・・・』 |
サンドラ | 「どうしたの、その時計の中に入っているマイクロフィルムをちょうだい」 | |
コブラ | 『ほっ・・助かった。こいつの中か・・』 | |
N | そこへ気密マスクに身を包んだ部下が入ってきた。彼女はサンドラの前に立つと敬礼した。 | |
サンドラ | 「ロイヤル少佐。本部からミスター・Jが視察にみえたわ。この基地内を案内してちょうだい」 | |
コブラ | 『視察だって!こいつぁ願ってもないぜ』 | |
N | 射撃練習所。一列に並び一斉に銃を撃っている。それに合わせて室内に大きな音が響き渡っている。 | |
コブラ | 「いい腕してるね。しかしまあ、すげえ銃だこと」 | |
ドミニク | 「あの銃は大型砲並みに集束されたビームを一分間に600発、発射できるのよ」
「どうですミスター・J、試してみませんか。ギルド本部の暗殺者の腕をぜひ拝見したいものだわ・・」 |
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コブラ | 「いや・・その、よそうよ・・危ないしさ・・・」 | |
100 | N | コブラが銃を乱射した。前方に立つマトには何も変わりは無かった。 |
コブラ | 「あ〜〜あ、言わんこっちゃない。狙わないうちからタマが出ちゃった・・」 | |
N | その場にいたものたちから失笑が漏れた。コブラはロイヤル少佐にうながされて、射撃練習所を後にした。
コブラたちが出たあと、自動ドアの閉まる振動で、マトがバタバタと倒れていった。コブラは全てのマトの支柱を撃ち抜いていたのだった。 |
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コブラ | 『しかし参ったな・・どいつもこいつも気密マスクをつけてるんじゃ刺青の女を探せやしない』
『見つけたとしてもどうやって背中の刺青を写真に撮る?・・一人一人ヌード写真を撮らしてくれないだろうな』 「ねえ、キミたち。いつもそんなもの被っているのかい」 |
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ドミニク | 「規則よ。ここは3000メートルの高地なので気圧調整をしておく必要があるというわけ」 | |
コブラ | 「まさか、その格好でコーヒーは飲めないぜ。キスだってできやしない」 | |
ドミニク | 「フフフ、自室と格闘技場でははずすわよ」 | |
コブラ | 「格闘技場・・へぇ〜〜っ、そいつを見たいもんだな」 | |
ドミニク | 「いいわよ。案内するわ・・・」 | |
N | 通路を歩くコブラのそばを、四角い箱型の機械が走り抜けていく。箱の前面には巨大な目玉、そして巨大な鉄の牙を持つ口があった。 | |
110 | コブラ | 「なんだい・・あれは・・・」 |
ドミニク | 「ピラゲーター・・ここの番犬よ」 | |
N | その頃、サンドラはコブラから受け取ったギルドからの指令を見て、怒りで眼を真っ赤にしていた。 | |
サンドラ | 「この指令は・・・・くう〜〜〜っ・・あの女・・・」 | |
N | 格闘技場。スノウ・ゴリラの女たちが激しい武術訓練をしている。 | |
コブラ | 「お〜〜お、こりゃまた、勇ましいこと・・」
『ここならうってつけだ。あとは刺青の女が現れるのを待つだけか』 |
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ドミニク | 「お手合わせ願えるかしら」 | |
コブラ | 「えっ!?」 | |
N | 今まで案内をしていたロイヤル少佐が気密服を脱ぎ気密マスクをはずした。 | |
ドミニク | 「ギルド本部の殺しのテクニックを拝見したいわ・・・」 | |
120 | コブラ | 「ジェ・・・!!」 |
ドミニク | 「えっ?・・・あら、あたしだれかに似ていて・・・」 | |
コブラ | 「いや・・・その・・・じぇん、じぇん・・」
『ビックリした。もう少しでジェーンと叫ぶところだったぜ・・・似てるはずだ。彼女こそ第三の刺青の女だ!」 |
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