劇場版 さらば宇宙戦艦ヤマト (一部公開)

オールナイト日本放送分(激しく欠損部分あり残存している個所のみテープ起こし)

朝日ソノラマ刊 さらば宇宙戦艦ヤマトVol.1で欠損部分を補完

内容を知ってる人しかわからない・・・異常な声劇台本


キャラ絵・・左から
島大介・古代進・森雪
真田士朗・佐渡酒造 
斎藤始
テレサ・ズオーダー 
ミル・デスラー・サーベラー


さらば宇宙戦艦ヤマトED

001

無限に広がる大宇宙。その無数にきらめく星々の中に新たな生命が満ち満ちている。生まれくる星、死に行く星、生命から、生命へと受け継がれる大宇宙の息吹は永遠に終わることはない。

あの、ガミラスとの戦いも、広大な宇宙の広がりの中ではつかの間の瞬きにしか過ぎなかった。

そして、時は流れた。西暦2201年、宇宙に新たな脅威が席巻していた。

それは・・・暗黒無限の宇宙の彼方より、平和に満ち溢れる銀河系めざし密かに近づきつつあった。恐怖と破壊と死を引き従えて・・・・。

現在(いま)、地球は本土の再建をほぼ達成して、その勢いを同じ太陽系の諸惑星にまでおしひろげていた。こうした平和と反映の中で、あのガミラス大戦の勇士、古代進は第15資源輸送船団の護衛艦艦長として、その任務に就いていた。

  〔さらば宇宙戦艦ヤマト−愛の戦士たち−〕
  挿入曲 メインタイトル(M−2)
  古代進 「火星を通過した。相原!地球到達時間を地球防衛軍司令部に報告しろ」
  相原義一 「了解、報告します」

「報告するのはそこだけですか?」

  古代進 「ん・・?他にどこがある?」
  相原義一 「フィアンセ・・・帰ったらすぐ、結婚式でしょ?」
  古代進 「バ・・バカ!・・余計な心配しないで早くしろ!」
  相原義一 「どうも、地球との交信回路が混信しているようで、うまく連絡が取れません」
010 古代進 「緊急回路を使ってみたらどうだ?」
  相原義一 「それも・・駄目です」

「誰かが・・何か通信を送っているようなんですが・・」

  古代進 「相原!それでも宇宙戦士か・・誰かが、何か・・とはなんだ。解明できないなら、全部記録しておけ!」
  相原義一 「記録なら、もうやってます」
  古代進 「ン・・ハハ・・さすが相原だな・・」
  相原義一 「ただの雑音かもしれませんよ?」
  古代進 「いや、ちょっと引っかかる・・地球へ帰ったら科学局の真田さんに分析してもらおう」
  地球防衛軍司令部。旧ヤマト乗組員、森雪は今は藤堂長官の秘書をしていた。
  藤堂兵九郎 「第3区船団からの報告はないか?」

「護衛艦艦長は古代だったな・・」

  森 雪 「長官、進水式のお時間です」
020 藤堂兵九郎 「おお、そうだったな」
  森 雪 「古代君の艦に、なにかあったんでしょうか?」
  藤堂兵九郎 「心配するほどのことではない」

「三日後だったな、結婚式は。私も出席させてもらうよ」

  森 雪 「はい、ありがとうございます」
  そのとき、第3区船団からの通信が回復し、雪はほっと胸をなでおろした。

進水式では地球の復興を象徴するかのような、巨大な最新鋭艦アンドロメダがその勇姿を見せていた。轟音とともに、テスト飛行に飛び立つアンドロメダ。その前方に、地球へ帰還してきた古代の護衛艦がいた。

  相原義一 「あれがアンドロメダか・・すげえなぁ・・」

「地球もあんな戦艦が建造できるほど復興したんですね」

  到着ロビーでは、雪が古代の到着を待ちわびていた。到着ゲートに古代の姿が見える。帰還を喜ぶ乗組員の脇をすり抜け、雪は古代の腕にすがりついた。
  森 雪 「古代君」

「予定通り、相変わらず時間厳守ね」

「休暇取れたの?」

  古代進 「うん、一週間」
  森 雪 「あと・・三日ね」
030 古代進 「何が?」
  森 雪 「もう!意地悪」
  古代進 「ハハハハ・・・」
  市街地へと向かうエアカーの中、古代は地球の復興の早さに目を丸くした。
  古代進 「帰る度に復興してくるなぁ・」
  森 雪 「いろいろな惑星から資源がたっぷり送られてくるからよ。古代君たちのおかげよ」
  古代進 「幸せかい・・雪」
  森 雪 「当然でしょ」
  大型家具店では、雪が子供のようにはしゃいでいる。
  森 雪 「ねぇ、古代君の書斎にはこんな机を置きたいわ。照明は中間色で。ゆっくり落ちついて考え事ができるようにするわ」
040 古代進 「うん・・・」
  森 雪 「応接間にはこんなセットがいいわ。お友達が来ても長居できなくなるような・・」

「そうだわ、古代君が仕事から帰ったときの事をかんがえなくちゃ・・。リビングにはカウンターを作りましょうね。あたしがカクテルを作ってあげるわ」

  古代進 「うん・・・」
  森 雪 「いやあね、さっきから、うんうんって・・。何か注文はないの?今日中に決めておかないと・・」
  古代進 「う・・うん・・・」
  森 雪 「ホラ・・また!」
  古代進 「あ・・ははははは・・」
  森 雪 「さあ、今度は向こうよ」
  夕方、英雄の丘に立つヤマト艦長、沖田十三の銅像の前で、佐渡先生が一升瓶を片手に、酒を飲んでいる。
  佐渡酒造 「沖田艦長・・ごらんなさい、あの超ハイカラな都市を・・。ガミラスと戦っていた頃がまるで夢のようじゃないか・・。飲んでくれ艦長、今日は、あんたの命日じゃからな・・。」

「苦しかったあの戦いも、今では歴史の1ページにすぎん・・。ヤマトのことを覚えているのはわしたちだけになってしまったみたいだな・・・」

050 遠くから人が集まってくる。真田が、島が、相原が、徳川が、旧ヤマトの乗組員たちが続々と集まってくる。古代と雪の姿もある。
  真田士朗 「佐渡先生!」
  佐渡酒造 「おお!みんなそろったな!」

「総員整列!」

「艦長!地球におる者は全員集合しました。」

「偉大なる宇宙戦艦ヤマト艦長、沖田十三の霊へ、敬礼!!」

  挿入曲 英雄の丘(M−7)
  旧ヤマト乗組員たちは、久しぶりの再会を喜び、沖田の銅像の前で軽い酒宴がもようされている。その時、テスト航行から帰って来たアンドロメダが彼らの頭上高く轟音を上げて飛び去っていった。

古代は、今まで思い続けていた割り切れない気持ちを佐渡に打ち明けた。

  古代進 「佐渡先生・・」
  佐渡酒造 「ん?何じゃ、古代」
  古代進 「地球はこれでいいんでしょうか?近頃ぼくは、あのヤマトの大航海が一体なんだったんだろうかとよく考えるんです。未知の宇宙空間への14万8千光年もの航海・・・」

「沖田艦長をはじめ、大勢の乗組員の命を犠牲にして戦い抜いたあの航海は地球を救う・・ただそれだけのものでした。佐渡先生、今、地球は以前よりも豊かになっています。物質文明の極致といってもいいでしょう・・」

「地球を救うとは、こういう地球を造ることだったんですか!!こういう事のために沖田艦長は命をかけられたんですか!」

  佐渡酒造 「それじゃよ・・わしはその言葉を待っておったんじゃ」
  夕闇の中、沖田十三の像は、静かにヤマトの乗組員たちを見下ろしている。

古代は、帰還途中で傍受した謎の通信を持って真田とともに科学局へ向かった。

060 真田士朗 「見ろ、古代。これが突然三日前から見え始めたんだ」
  巨大な宇宙地図の上に光り輝く1個の点が映されていた。
  古代進 「どこにあるんです?この光球は」
  真田士朗 「現在、太陽系外60万宇宙キロの位置にある」
  島大介 「突然、見え出した理由は?」
  真田士朗 「加速して太陽系へ近づいたので、前面に発光ガスを伴った重力波発生しているからだ・・・」

「パルサーとかクェーサーとか呼ばれている電波星と同じパターンだ」

  島大介 「クェーサー?それだったら地球から宇宙の果てへ向かって遠のいていくはずでしょう?」
  真田士朗 「そのとおり、こいつは、歴史上、初めて発見された地球に近づいてくるクェーサーなんだ!」

「拡大投影する!」

  古代進 「これは・・・彗星じゃないか!!しかも大彗星だ!」
  そこへ解析の終了したアナライザーが通信カプセルをもってやってきた。
070 アナライザー 「混信ハ、クリヤーサレマシタ」
  真田士朗 「よし、解析機にかけてみろ」
  アナライザー 「スタートシマス」
  テレサ(声) 「・・・・今・・・・私達の・・・・巨大な・・・・あなた方・・・かも知れません・・」

「危機・・・・時間が・・・早く・・・・誰かが・・この通信を・・・早く・・・・立ち上がって・・・」

  アナライザー 「アト、再生フノウ・・・」
  古代進 「救いを求めてるんじゃないのか!?」
  島大介 「発信源はわかりませんか?」
  真田士朗 「ここのコンピューターでは出力が足りなくてね」
  古代進 「何とか手を打つべきだ!もしこれが、宇宙のどこかで想像もし得なかった異変が起きていて、それを知らせようとしているのだとしたら・・」
  真田士朗 「う〜〜む、否定派できんな」
080 古代進 「今の白色彗星と関係があるのかもしれない。・・だとしたらその災害の大きさは・・・」
  真田士朗 「よし、早速、防衛会議に提出して検討してもらおう!」
  N 防衛会議へ白色彗星の脅威を進言したが、平和にどっぷりと漬かった参謀たちには、宇宙の脅威など聞き入れられることはなかった。

古代たちヤマト乗組員たちは、今はもう使われなくなった、地下の旧地球防衛軍司令本部へ来ていた。そこへ、藤堂長官が現れた。

  真田士朗 「長官!」
  藤堂兵九郎 「多分・・ここだと思ったよ。わしも時々、気持ちを休めにここへ来るんでね」

「実は・・ヤマトの事だが・・」

  真田士朗 「ヤマトが・・・どうしたんですか?」
  藤堂兵九郎 「・・・廃艦と決まったよ。今後は・・記念艦として残されることになった」
  真田士朗 「長官!ヤマトはまだ衰えてはいません!!」
  藤堂兵九郎 「わかっている」
  古代進 「それじゃ・・どうして!?」
090 藤堂兵九郎 「防衛会議の決定だ!命令を伝える!」

「古代進!明日15時木星ガニメデ基地へ出航を命ずる!」

「島大介!君は同14時火星基地へ出航だ!」

  古代進 「我々をヤマトから引き離そうというんですか!?」
  藤堂兵九郎 「命令に説明はない」
  N 長官はそう言い残して、出ていった。
  古代進 「ヤマトは生きている!地球を救うために!」

「俺は・・・あのヤマトの14万8千光年の航海ではっきり見た。宇宙の平和なくして地球の平和はない。宇宙の幸せこそが地球に幸せをもたらすんだ。宇宙のどこかの星の不幸は地球人の不幸なんだ。宇宙の平和と宇宙の幸せ・・・これが本当の希望の現実なんだ!」

「そのためにヤマトは生きている!宇宙を救うために生き続けているんだ!!」

  真田士朗 「古代!行こう!たとえどんなに非難されようと構わない。行くんだ!!それがヤマトと共に生きてきた我々の使命だ!!」
  歓声を上げる旧ヤマト乗組員たち・・だが、その中で、島は悩んでいた。
  古代進 「島!君も行ってくれるな!」
  島大介 「考えさせてくれ・・命令に反抗することは俺には・・・」
  古代進 「・・島・・」
100 そっと抜け出す雪。そのあとを古代が追いかける。
  古代進 「雪!・・・わかってくれ雪!」
  森 雪 「あなたのお部屋へ行って着替えをとってくるわ・・これから忙しくなるんでしょ・・」
  ヤマトに続々と乗り込む旧ヤマト乗組員たち。その様子は、地球防衛軍司令部にも知らされた。直ちに司令部より退艦命令が伝えられ、その通信は一斉に艦内に流された。
  古代進 「みんな聞いたか!退艦するものは早くしろ!残る者は充分覚悟してくれ!!これが我々の旅立ちなんだ。これが我々への歓呼なんだ」

「去るも残るもみんなの自由だ!」

  ヤマトを退艦する者は誰もいなかった。
  真田士朗 「タラップあげろ!!船台ロックオープン!」

「船内全機構異常なし。エネルギー正常。補助エンジン内圧力上昇始動10秒前」

  古代進 「・・補助エンジン動力接続!」
  徳川彦左衛門 「補助エンジン動力接続スイッチオン!補助エンジン定速回転1600!!」

「両舷推力バランス正常!!パーフェクト」

  真田士朗 「ドーム注水・・水位・・5.5・・6・・水位上昇・・12・13・14・・水位艦橋を越えます。」

「注水完了!」

110 古代進 「ガントリーロック解除!!微速前進0.5!!ゲートオープン!」

「ヤマト海中へ進入!」

  徳川彦左衛門 「波動エンジン内エネルギー注入」
  古代進 「補助エンジン、第2戦速から第3戦速へ!」
  徳川彦左衛門 「第1宇宙ノットまで、あと30秒」

「波動エンジン、シリンダーへの閉鎖弁オープン!!波動エンジン始動5分前」

  古代進 「島・・・お前がいてくれたら・・・」
  徳川彦左衛門 「波動エンジン内圧力上昇、エネルギー充填90パーセント」
  真田士朗 「落ち着け古代!海面へ出ると同時に波動エンジンへ点火しジュンプするんだ!」
  古代進 「補助エンジン最大戦速!上昇角40、海面まであと2分」
  徳川彦左衛門 「波動エンジン内、圧力上昇。エネルギー充填120%」
  古代の肩に手が置かれる。見上げると、そこには島が立っていた。その顔には迷いは無く、晴れやかな笑顔があった。
120 古代進 「島!」
  島大介 「古代、上出来だよ」
  古代進 「島、やっぱり来てくれたんだな」
  島大介 「バカだなあ・・おまえ達だけを行かせると思っていたのか!?」

「話は後だ、俺がやろう」

  徳川彦左衛門 「フライホイール始動10秒前」
  島大介 「海面まであと30秒、現在補助エンジン出力最大!」
  徳川彦左衛門 「波動エンジン内、エネルギー充填120%、フライホイール始動!!」
  古代進 「波動エンジン点火10秒前!!9・8・7・6・5・4・3・2・1」
  島大介 「フライホイール接続点火!」
  古代進 「ヤマト発進!」
130 挿入曲 旅立ちM−13B
  藤堂兵九郎 「沖田の子供たちが行く・・・」
  ヤマトは宇宙へと発進した。ヤマトは謎のメッセージの発信源を探るため航海を続けていた。冥王星にさしかかった時、第11艦隊の旗艦ゆうなぎからの救難信号をキヤッチし、乗組員と艦長を救出した。古代は医務室で看護にあたる雪の姿を見つけて驚いた。
  古代進 「雪・・」
  森 雪 「失礼します」
  佐渡酒造 「雪・・古代の奴、怒っとるぞ・・・あんたがいかんのだ、無断で乗り込むから」
  森 雪 「先生、おしゃべりしてて大丈夫なんですか?」
  佐渡酒造 「よし・・これでいい」
  森 雪 「治療中に入室しないでください!」
  古代進 「キ・・キミは誰だ!?」
140 森 雪 「地球防衛軍、科学局生活部・・・森 雪」
  古代進 「乗組員名簿に載っていないな」
  佐渡酒造 「い・・いや、わしが登録するのを忘れたんじゃよ」
  古代進 「下船してもらいます!艦の規律が守れません!」
  佐渡酒造 「お・・おい、そうかたいことを言うなよ」
  森 雪 「結構です!ただし、患者の処置を済ませてからにしてください」
  処置が終わり、佐渡が患者をストレッチャーで連れて行く。古代のそばを通りかかった時、小さく言った。
  佐渡酒造 「あのな・・・わしのミスじゃからな・・・ケンカはいかんぞ・・喧嘩は・・・」
  N 佐渡が部屋を出て行き、部屋には古代と雪の二人だけになった。雪はいきなり服を脱ぎ始めた。
  古代進 「・・な・・な・・何をする」
150 森 雪 「退艦します・・」
  古代進 「ま・・まて、こんなところからどうやって地球へ帰るつもりなんだ」
  森 雪 「退艦しろといったのはあなたですよ。宇宙遊泳でも何でもして帰ります」
  古代進 「命令だ、隊員服を着ろ。艦長代理として、森雪に旧任務を命じる」

「馬鹿だよ君は。地球にいれば平和に暮らしていけるのに、こんな危険な旅へ紛れ込むなんて無茶だ」

  森 雪 「私もヤマトの仲間の一人よ。みんなが行くなら、私も一緒に・・」

「・・・・古代君たちのそばに居たかったのよ・・」

「古代君・・・!!」

  N 雪は激しく古代の腕の中に飛び込み、その胸に顔をうずめた。
  森 雪 「私はこうして、再びヤマトの一員になることができた。どんな危険な航海であろうと、古代君のそばにいることが幸せなのだから」
  テレサ(声) 「宇宙の・・皆さん・・私はテレサ・・・」
  古代進 「どうしたんだ・・?」
  相原義一 「例のメッセージです」
160 古代進 「発信源を探れ」
  相原義一 「了解!」
  テレサ(声) 「恐ろしい危機が・・よく・・聞いてください・・。この危機・・太陽系ばかりでなく・・」
  相原義一 「発信源は障害バリアに覆われていて、確認不可能!」
  真田士朗 「方位確認、障害バリアまで、ZITからBLZの間、約2000宇宙キロ」
  古代進 「島!方向転換。変速、左12度」
  島大介 「了解!取舵12度」
  テレサ(声) 「巨大な彗星は・・・次々と・・もし、このまま・・壊滅させられて・・・宇宙全体が・・・一刻も早く・・・・の危機を救って・・・どうか・・時間がありません」
  真田士朗 「やっぱり、あの白色彗星と何か関係があるんだ。」
  古代進 「俺たちの予測が正しかったって訳だな」
170 島大介 「一日も早く発信源の星へ行って、実態を究明しなくちゃいかんな・・古代」
  N 窓外の宇宙空間、惑星の前面に祈りのポーズの乙女の姿が浮かび上がっていた。
  古代進 「テレサ・・」
  テレサ(声) 「私はテレサ・・・私のいるところはテレザート星の重力砦・・鍾乳洞・・私はたった一人で・・・・・」
  真田士朗 「うむ・・どうやら事態は急を要するらしい」
  古代進 「強行突破しましょう」
  N ヤマトは直ちにテレザート星へ降下して行く。そのヤマトへ向かって・・敵迎撃機が発進してきた。
  相原義一 「未確認飛行物体発見!テレザート星より発進した模様!大編隊です!」
  古代進 「よし!総員、コンバットA態勢!ブラックタイガー発進!」
  N ヤマトからも次々と新鋭艦載機が発進して行く。

先を制した敵迎撃機の攻撃にブラックタイガー隊は苦戦。一機、二機と撃墜される。

180 古代進 「パルスレーザー砲、掃射開始!」
  N 敵機は、パルスレーザー砲によって次々と爆発、撃沈され、ヤマトでは空間騎兵隊が降下準備に入った。だが敵はなおもミサイルを発射して応戦する。
  相原義一 「地上基地から攻撃してきます」
  古代進 「艦首ミサイル発射用意!」

「発射!」

  N ヤマトのミサイルは滑走路や基地に命中爆発。その炎と噴煙の中を、空間騎兵隊が縦横に走る大クレパスの裂け目から、地底へと降下した。
  斎藤始 「降下作戦成功!これより地下平原を前進する」
  N そこは、草一本もなく岩石と赤土の荒涼とした大平原であった。
  斎藤始 「何もないぞ・・ずいぶん寂しいお出迎えじゃないか」

「・・へっ、宇宙重戦車か!きやがったな。全員!散開せよ!」

「こちら斎藤だ。敵は大戦車隊で攻撃してきた。多弾頭砲を頼む」

  古代進 「了解!直ちにそちらに向かう」
  N ザバイバル配下の大戦車群は空間騎兵隊を蹂躙し、犠牲者が続出した。
190 古代進 「斎藤!多弾頭砲を持ってきたぞ!」
  斎藤始 「うおっ、ありがてえ」
  古代進 「だが、組み立てに時間がかかる。」
  斎藤始 「そうか・・わかった。全員、コスモ爆弾用意!突撃するぞ!」
  古代進 「斎藤!やめろ!犠牲者が増えるだけだ!」
  斎藤始 「うるさい!俺は空間騎兵隊の斎藤だ!地面の上で死ねたら本望よ!」
  N 多弾頭砲が組み立てられる間、斎藤以下、空間騎兵隊員の肉弾戦が展開し、戦車は次々と爆発する。
  斎藤始 「ざまあみろい!」
  真田士朗 「あぁ・・やっとセットできたぞ。多弾頭ミサイル砲だ」
  古代進 「全員、後退しろ!」
200 N かつて戦車群はことごとく壊滅した。
  アナライザー 「ヤッタ、ヤッタ!ヤッターー!」
  N やがて古代と、真田、斎藤はアナライザイーのコスモクロメーターの反応に従い、一隅(いちぐう)の巨大な岩陰の前へきた。
  真田士郎 「鍾乳洞か・・・」
  古代進 「この奥に・・テレサが・・」
  N 鍾乳洞へ入った古代たちは警備兵の狙撃を受けるが、これを撃退しつつ奥深くへ進み、行く手の鉄の扉を開けると・・そこは霧の漂う静かな地底湖のほとりであった。その湖の中心、霧の中にボンヤリと光の玉が浮かんでいた。
  アナライザー 「ココガ、コノ星ノ中心デス・・。」
  N 霧が晴れ、光の玉が次第に鮮明になると、やがて、幽閉機の中で祈りをささげる乙女の姿がほのかに浮かび出た。
  古代進 「テレサ・・」
  真田士朗 「こんな所にいたのか・・」
210 テレサ 「私はテレサ・・・テレザート星のテレサ。私の全霊を傾けた祈りに答えてくれたのは、あなた方だけでした」
  古代進 「テレサ、我々はあなたのメッセージに答えようと必死でここまで来ました。あなたの警告の内容を教えてください」
  テレサ 「あなた方は白色彗星をご存知ですね?」
  古代進 「・・・はい」
  テレサ 「あの白色彗星は楕円軌道を描いて宇宙を巡り、軌道上の惑星を侵略、植民地化して全宇宙を我が物にしようとしているのです。私たちの母なる星も、白色彗星帝国の前衛艦隊の攻撃を受け破壊されてしまいました。私はただ一人逃れたものの、彗星帝国に捕らえられ、この星に幽閉されてしまったのです」
  古代進 「そうでしたか・・」
  テレサ 「彼らの次なる目標は、あなたがたの地球です。あと20日(はつか)で間違いなく彼らは、地球を火の玉に巻き込み粉々に砕いてしまうでしょう。ヤマトよ今こそ立ってください。それが地球を救うのみならず、全宇宙の為なのです」
  古代進 「テレサ・・我々もそのために来ました。しかし、地球の全科学力をもってしても、あの彗星の実態がわかりません。どうすればあの彗星を葬ることが・・その方法を教えてください」
  テレサ 「白色彗星を倒すには、まず、白色に燃えるガス体を取り払わなければなりません。おそらくそれはヤマトの波動砲をもってしても破ることはできないでしょう」
  古代進 「では、どうやって。どうすれば破ることができるんです」
220 テレサ 「それは・・・私にもわかりません。・・しかし、いかに悪魔的な文明であろうと所詮は人間が考えたこと。必ず弱点があるはずです。それを見抜くのはあなた方しかいません。宇宙を救おうとするあなた方の力でしか見抜くことはできません」
  古代進 「テレサ・・私たちと一緒に行きましょう。白色彗星と戦いましょう」
  テレサ 「私は・・あなた方に触れることはできません・・」
  古代進 「なぜ・・なぜなんです」
  テレサ 「私の身体とあなたがたの世界を構成する物質が触れ合ったとき、エネルギーと化して大爆発を起こし、周りにある全てのものは消滅してしまうでしょう」
  真田士朗 「反物質・・・・あなたは反物質の人間なのですね」
  テレサ 「・・・宇宙の今の危機をお伝えする事は出来ても・・手を取り合うことはできないのです。あなた方のために私は祈りつづけます。しかしそれは、ヤマトや地球のために祈るのではありません。宇宙は広い・・・でも、一つなのです。私は、あなた方が全宇宙の人々のために戦い抜く、その勇気のために祈りつづけます」
  古代進 「テレサ・・」
  N 呆然と見上げる古代たちの前で、テレサの身体は、にわかに浮き上がり、拡大し遠のいて行き、やがて蜃気楼のように消えていった。
  挿入曲 テレサの祈りM−31A
230 N そのころ、白色彗星帝国ではサーベラー総参謀長をはじめ、ゲーニッツ、ラーゼラーなど、最高首脳がヤマトのテレザート星上陸の情報を得て、緊急会議を開いていた。そこへあの、ガミラスのデスラーが現れた。
  ズオーダー 「デスラー、どうした?何か用があるのか?」
  デスラー 「どうやら私の出撃するときが来たようですな。ヤマトに敗れて以来、今日という日を一日千秋の思いで待ちつづけておりました。ヤマトはこのデスラーがお引き受けいたします。大帝は心置きなく地球撃滅をお楽しみください。
  サーベラー 「ホホホホホ、面白い、でもねデスラー。今度は敗北するわけにはいかないのですよ。ヤマトと戦って敗れ宇宙を漂流していたのをわが帝国が救わなければ、お前は宇宙の永遠の放浪者だったのだから」
  デスラー 「もちろんです、サーベラー総参謀長。私にはガミラス総統としての誇りがあります。屈辱を重ねて受けるほど腐ってはおりません」
  ズオーダー 「やってみるがいい。デスラー、お前にわが艦隊の新鋭艦を与えよう。出撃にあたって、わしのはなむけだ」
  デスラー 「感謝の極み・・」
  N デスラーはマントをひるがえし、堂々と退席して行く。
  サーベラー 「監視艦隊司令ミル!おまえも一緒に行きなさい。デスラーを監視するのです。片時も目を離してはなりません」
  ズオーダー 「女だな・・サーベラー・・・・」
240 N 宇宙空間を航行中のヤマト。突然、右舷後尾に敵艦が出現し、攻撃を仕掛けてきた。
  相原義一 「あれは・・・宇宙駆逐艦だ!」
  島大介 「どこから来たんだ一体!」
  古代進 「レーダーはどうしたんだ?補足しなかったのか!」
  相原義一 「反応ありませでした!」
  N 忽然と現れた宇宙駆逐艦は、一旦はヤマトを掃射しては去り、また、前後左右に現れては猛攻を加えた。ヤマトは次々と被弾して猛火に包まれた。

被弾個所が次々と、パネルに映し出される。

  森 雪 「レーダーには何も浮かびませんでした」
  真田士朗 「瞬間物質移送機!」
  島大介 「まさか・・デスラー戦法か!」
  相原義一 「馬鹿な!デスラーはとっくに死んだはずじゃないか!」
250 島大介 「これ以上やられると、航行不能になるぞ!」
  森 雪 「古代君・・・」
  古代進 「これは・・デスラーだ。デスラーは、生きていたんだ!」
  デスラー(声) 「フフフフ・・フフフ・・ハハハハハ・・・・・そのとおりだヤマトの諸君。久しぶりだな、また会えて光栄の至りだ」
  N パネルに浮かぶデスラー総統の顔に一同は激しい衝撃を受け声も出なかった。
  古代進 「デスラー総統!生きていたのか!?」
  デスラー(声) 「大ガミラスは永遠だよ。わが帝国の栄光は不滅なのだ。ヤマトの諸君、気の毒だが、まもなく諸君には死んでもらうことになるだろう。ヤマトの健闘を祈る。フフフ・・フフフフ・・ハハハハハハハ・・」
  デスラーの大型戦艦がパネルいっぱいに映し出され、その後方に何やら一直線に伸びる帯のようなものが見えた。
  古代進 「拡大投影しろ!」
  真田士朗 「白色彗星だ!」
260 島大介 「デスラーは・・彗星帝国の・・」
  相原義一 「畜生・・・デスラーめ・・波動砲が撃てればふっ飛ばしてやるのに!」
  古代進 「白兵戦だ!デスラーの艦に乗り移って戦うしかない!」
  相原義一 「でも・・どうやって近づくんです。」
  島大介 「ワープか・・?」
  古代進 「そうだ!、デスラーの戦艦との距離を測って、小ワープで近づけば・・島、出来るか?」
  島大介 「うん、やってみよう」
  古代進 「小ワープ準備!」
  一方、デスラー艦の艦橋でもヤマト攻撃の準備がなされていた。
  タラン 「ヤマトまで、距離1.5宇宙キロ」
270 デスラー 「デスラー砲用意」
  ミル 「デスラー!気は確かか!このままデスラー砲を撃てば、我が方の駆逐艦もまきぞえにしてしまうぞ!」
  デスラー 「ヤマトを包囲しておく必要がある。駆逐艦を下げるわけにはいかん」
  ミル 「どうあろうと!大帝自らつかわされた艦を!」
  デスラー 「ミル司令・・私はヤマトと戦っているんだよ。」
  デスラー砲の発射用意がなされていた頃、ヤマトでも、ワープの時間が刻一刻と迫っていた。
  島大介 「ワープ5秒前!4・3・2・1、ワープ!」
  デスラー 「発射!」
  駆逐艦に囲まれたヤマトが溶けるように消えた瞬間、デスラー砲の砲弾が飛来して駆逐艦が粉砕された。ワープを明けたヤマトは、デスラー艦の真横に出現。のしかかるように接舷し、同時に、空間騎兵隊員が右舷甲板に乗り移った。艦橋ではデスラーが苦笑混じりにその光景を見ていた。
  デスラー 「フフフフ・・・さすがヤマトだ。だが・・一人残らず生かして帰さん」
280 突入した、斎藤たち空間騎兵隊員は遮蔽物を盾にした敵兵の攻撃にさらされ、たちまち苦戦に追い込まれた。
  森 雪 「ひどい苦戦だわ。たくさん負傷している。・・あ・・古代君がたった一人で艦尾を駆け上がっていく。こうしちゃいられない」
  佐渡酒造 「雪!どこへ行くんじゃい!」
  森 雪 「敵の船です。」
  佐渡酒造 「女の行くところじゃない!やめろ!」
  森 雪 「私は看護婦です。だれが負傷者の応急処置をするんですか!」
  佐渡酒造 「あ・・うう・・そ・・それならわしも医者じゃい!アナライザーおまえも来い!」
  アナライザー 「ハイハイ!」
  敵の攻撃は一段と激しくなり、空間騎兵隊は、じりじりと押し戻されていた。雪と佐渡、アナライザーは砲塔の影に、臨時に救護所を設置した。
  アナライザー 「佐渡センセイ・・」
290 佐渡酒造 「何じゃい?」
  アナライザー 「敵ノ兵士カラハ生命反応ガ、感ジラレマセン」
  佐渡酒造 「何じゃと!」
  敵の背後から狙撃する古代の通信機に第一艦橋にいる真田から通信が入った。
  真田士朗 「古代!こちら第一艦橋の真田だ!あの兵士たちは人間じゃない!アンドロイドだ。」
  古代進 「何!」
  真田士朗 「敵兵士の動きには一定のリズムがある。どこかにコントロール機構があるはずだ。センサーで探知するから俺の誘導にしたがって爆破してくれ!」
  古代進 「了解!」
  真田士朗 「発見した!右へ回れ!左だ!・・左へ直進!」
  真田の指示に従い古代は行く手を遮る壁を爆破。鉄の扉を破壊し、中のコントロール機構を爆破した。それによってアンドロイド兵の動きが急に乱れ、同士討ちがはじまり、斎藤たちに、なすすべもなく、バタバタと、倒されて行く。
300 斎藤始 「突っ込め!!」
  第1機関室が爆破された後、第2機関室も斎藤たちのコスモ爆弾により爆破され、たちまち誘爆を起こして艦内は炎に包まれ延焼していった。
  タラン 「総統!危険です!脱出してください!」
  デスラー 「タラン・・・」
  タラン 「・・はっ・・」
  デスラー 「今日までよく私についてきてくれた」
  タラン 「デスラー総統・・」
  デスラー 「待て!ミル、どこへ行くのだ」
  ミル 「大帝にご報告する・・グッ・・・」
  デスラーの銃がミルを打ち抜いた。
310 デスラー 「ふっ・・愚かな犬め・・・」
  この時、誘爆は艦橋にまで迫ってきていた。爆発炎上する艦橋。タランが爆風に巻きこまれ、吹き飛ばされた。
  デスラー 「大ガミラスもとうとう・・私一人になったか・・」
  古代進 「デスラー」
  デスラー 「ヤマトの坊やか・・・・待っていたよ」
  古代進 「デスラー、お前はガミラス星のために戦った。だが・・今度の戦いは何の為なのだ?」
  デスラー 「ヤマトは強かった。沖田は立派な艦長だった。・・・しかし、俺は屈辱を忘れん男だ・・。倒すべき相手はヤマト・・・。古代、今度はお前が相手か・・立派になったものだ。」
  古代進 「構えろ!デスラー!」
  燃えさかる炎の中、二人は銃を構えて対峙した。
  森 雪 「・・古代君・・・」
320 だが二人は引き金に指をかけたまま動こうとはしなかった・・。
  デスラー 「古代・・・・・撃て・・・・・撃たないか!・・・古・・代・・・・・」
  突然、デスラーが、がっくりと膝をついて、銃を落とした。
  デスラー 「・・・く・・・・」
  古代進 「どうしたのだ?デスラー」
  森 雪 「あ・・古代君・・デスラーは傷ついていたんだわ。それをあなたに知られまいとして・・」

「しっかりして!デスラー・・あなたは立派な人だわ」

  デスラー 「お嬢さん・・・私を支えてくれるのか・・ありがとう・・・」
  古代進 「デスラー・・」
  デスラー 「・・・古代・・私は負けた・・ガミラスの再建とヤマトへの復讐・・それが私の悲願だった・・。彗星帝国に身を寄せ、屈辱の日々に甘んじてきたのも、その日の来るのを信じての事だった。しかし・・・もうよい。私の戦いは・・・終わったのだ」
  古代進 「総統・・」
330 その時、ミルが必死に這い起きて物陰からデスラーを狙撃しようとしていた。
  森 雪 「あぶない!」

「あっ!・・う・・」

  デスラー 「おのれ!ミル」
  古代進 「雪!」
  デスラー 「おまえの恋人か・・許してくれ・・古代」
  古代進 「しっかりしろ!雪・・」
  デスラー 「ヤマトの諸君に伝えてくれ。・・・・彗星帝国に身を寄せていたとはいえ、私の心は、遥かに君たちに近い。古代・・戦え!」
  古代進 「デスラー総統」
  デスラー 「ヤマトなら、戦う方法は幾らでもある。いいか古代・・白色彗星の・・渦の中心核を狙え。」
  古代進 「渦の中心核・・・」
340 デスラー 「さらばだ・・・・この戦闘・・・ヤマトが勝つ!・・・成功を祈る!」
  古代進 「デスラー!!」
  デスラー最後の力を振り絞ってハッチから宇宙空間へと飛び出た。瀕死の雪を抱いて古代はその姿を見送る。戦いの空から、静かな宇宙空間へと流れ出て、美しい星々のきらめく中に吸い込まれるようにデスラーは消えて行く。
  挿入曲 デスラーの死M−41
  森 雪 「う・・・く・・・あ・・・・・」
  佐渡酒造 「辛抱するんじゃ、もうすぐ地球へ帰れる。戦いが終わったら地球へ帰れるんじゃ・・」
  森 雪 「私は・・・もう・・・だ・・め・・・先生・・古代君は・・・う・・・ああ・・」(苦しむ)
  佐渡酒造 「雪!」
  アナライザー 「雪サン!シッカリシテクダサイ!」
  ノックの音が響く。
350 佐渡酒造 「誰じゃい!」
  古代進 「古代です。・・入ります」
  森 雪 「古代君が来た・・・しっかりしなきゃ・・しっかり・・・・」
  古代進 「具合はどうだ?」
  森 雪 「も・・・う・・大丈夫よ・・・地球一の名医に手術してもらったんですもの・・」
  佐渡酒造 「え・・えへへ・・えへ・・そ・・そういうことじゃ・・」
  森 雪 「古代君こそ・・・怪我は?」
  古代進 「大丈夫・・・雪のおかげだよ・・・」
  森 雪 「そう・・・よかった・・う・・あ・ああ・・・・」(苦しむ)
  古代進 「雪・・!」
360 森 雪 「ああ・・・・う・・」(苦しむ)
  古代進 「無理しちゃいけないよ。早く元気になって一緒に地球へ帰るんだ・・いいね」
  森 雪 「帰りたい・・・帰ってあなたと一緒に・・・二人だけの家で・・・あなたと・・・・・」
  古代進 「雪・・・・」
  挿入曲 医務室にて−愛の涙−M−44
  激しく腕にすがる雪を古代はしっかり抱きしめた。その二人の姿に佐渡はそっと涙をぬぐうのだった。

その頃、バルゼー機動部隊により冥王星基地が攻撃にさらされていた。そして、ヤマトの大パネルには緊張した長官の姿があった。

  藤堂長官 「土方君、白色彗星の前衛艦隊が太陽系惑星に全面攻撃をかけてきた。地球側も全艦隊集結しつつあるが、ヤマトも一刻も早く急いでくれ。頼むぞ、地球はヤマトを待っているのだ」
  島大介 「ワープ準備」
  古代進 「頑張ってくれよ・・地球」
  バルゼー艦隊に代わって進み出た白色彗星を目前にして、地球艦隊はその前面に二重に並び、波動砲の方向を一斉に、そろえて上げた。

その頃、近くの宇宙空間にワープのあけたヤマトが浮かび上がり、古代たちは大パネルに映る地球艦隊と白色彗星の対決を見守った。

二段構えの地球艦隊から同時に発射される拡散波動砲。いくつもの光の束が重なり猛烈な光芒に包まれて白色彗星の姿が一瞬消える。・・が、何としたことか、再び忽然と現れた白色彗星には何の損傷もなかった。この意外な結果にアンドロメダの艦橋に衝撃が走った。

時すでに遅く、猛然に突っ込んでくる白色彗星は、右往左往する地球艦隊を巻き込み、押しひしゃげ、粉砕し、吹き飛ばしていった。

370 島大介 「波動砲が全然、役に立たないのか!」
  ズオーダー 「ワハハハハ・・ハハハハ・・ハハハハハハハ・・」
372 挿入曲 ヤマトより愛をこめて  

この後、古代と雪の運命は!ヤマトは白色彗星帝国を倒すことができるのか・・・・。

テープが年数経過により・・摩滅しており再生不可能なため・・・続きが気になったらDVDで見よう〜〜〜。

・・ということでおしまい。

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