宇宙円盤大戦争

デューク・フリード/宇門大介 フリード星の王子。ガッタイガーの操縦者。ヤーバン大王軍に故郷・フリード星を滅ぼされ、傷つき地球に逃げ延び、宇門源蔵に保護され、源蔵の息子『宇門大介』として暮らしている
王女テロンナ ヤーバン大王の娘にして、デュークのかつての恋人。地球侵略部隊の総司令官。ボディガード兼ペットのマシーンパンサーを連れている。専用円盤テロンバーンに乗る
牧野ひかる デュークが宇門大介として身を寄せている牧野牧場の娘
牧野吾郎 ひかるの弟
牧野幸造 ひかると吾郎の父。牧野牧場の経営主だが、大のUFOマニア
宇門源蔵 宇門宇宙科学研究所所長。フリード星から逃げ延びたデュークを保護し、自分の息子として見守っている
ブラッキー隊長 王女テロンナの側近。武闘派
ナレーション


001 ブラッキー隊長 「追え!ガッタイガーを逃がすな!」
「待てぇ!デューク・フリード!逃げても無駄だ!」
ナレーション 深遠の宇宙。
無数の円盤型宇宙船が編隊を組み漆黒の空間を切り裂いて行く。目指すは前方を行くフリード星の宇宙船であった。
無数のレーザー砲が火を吹く。円盤は巧みな操縦で右に左に避けながら飛行を続けて行く。
デューク・フリード
「しつこい奴らだ。仕方ない」
「スパイカー・スピーン!」
ナレーション 円盤は反転すると、円盤の縁に鋭い刃を出し、まるでのこぎりのように回転しながら敵円盤目掛けて攻撃を仕掛けて行く。敵円盤は次々に真っ二つに切り裂かれて爆発し、宇宙の底へと落ちていった。
デューク・フリード 「ニードル・シャワー!」
ナレーション 円盤から鋭い針が次々と打ち出され、敵円盤を貫き粉砕する。円盤はそのままスピードを上げて緑に輝く惑星・地球へと飛び去っていった。
それから5年の歳月が流れた。
OP曲 主題歌:『戦え! 宇宙の王者』(作詞:保富康午、作曲:菊池俊輔、歌ささきいさお、こおろぎ'73)
ナレーション 宇門宇宙科学研究所では、無数の流星群の接近に色めきたっていた。
《研究所職員》
「真っ直ぐ地球に向かってます」
「こんなに沢山の流星群は初めてです」
宇門所長 「いや、流星群とは思えん」
ナレーション 《研究所職員》
「え!それじゃ、まさかUFO!」
010 宇門所長 「大介の奴はどこかな?」
ナレーション 《研究所職員》
「牧野牧場です。今夜は泊り込みだ・・・とかって」」
宇門大介
「がんばれよ!もう少しだ。苦しいか?」
牧野ひかる 「大丈夫?大介さん」
宇門大介 「任せとけ!馬のお産にかけちゃ名医なんだから!」
牧野ひかる 「はは、どうだかね」
宇門大介 「うるせぇ、黙ってろ!オカチメンコ!」
牧野ひかる 「なんだとぅ!」
牧野吾郎 「馬がびっくりするじゃんか。直ぐ喧嘩するんだからぁ」
宇門大介 「んん・・生まれるぞぅ!」
020 牧野吾郎 「わぁ」
宇門大介 「ようし、コレでいい」
牧野ひかる 「わぁ、可愛い赤ちゃん」
宇門大介 「う〜〜ん!空気がうめぇや」
牧野ひかる 「いい気持ちねぇ」
牧野吾郎 「あ、父ちゃんだ!」
牧野幸造 「やぁ、みんな早えぇな、へへヘ」
牧野吾郎 「父ちゃん、会えた?宇宙人に」
牧野幸造 「あぁ、一晩中、山の上で待ったけど現れなかったぜ。い〜〜〜くしゅん!」
牧野ひかる
「何よ!UFOだの、宇宙人だのって牧場の仕事ほったらかしにして!」
030 宇門大介 「ハハハ!ひかるちゃんにかかっちゃ、親父さんも形無しだね。なにせジャジャ馬のトンガリ娘だから」
牧野ひかる 「言ったな!コイツ」
ナレーション 《研究所職員》
「大介さ〜ん!所長がお呼びです。おかしな流星群が地球へ向かってるんです」
宇門大介 「何だって!」
ナレーション 宇門宇宙科学研究所。メインパネルに映し出された流星群を見ながら、宇門所長が思案していた。
宇門所長 「電波望遠鏡の倍率を一杯に上げてくれ」
ナレーション 《研究所職員》
「はい」

倍率を上げてみたが、はっきりと何であるか判断することが出来なかった。

「これ以上無理です」
牧野ひかる 「流れ星じゃないの?おじ様」
宇門所長 「いや、違う。絶対に違う」
ナレーション 《研究所職員》
「あ、コンピューターの解答が出ました
「流星にあらず、未確認飛行物体・・・」
「やっぱり円盤!」
040 宇門大介
「とうとう見てしまった。俺が恐れていた宇宙の影・・・不吉な影を・・・」
ナレーション 地球上空に飛来するヤーバン星の攻撃母船。その周りに無数の円盤が飛行している。
母船の中で円盤の窓から。外をながめているのはヤーバン星の王女テロンナであった。
王女テロンナ
「綺麗な星、ブルーサファイアみたい」
「そしてこの美しい星のどこかにデューク・フリードは居る」
ブラッキー隊長 「テロンナ姫」
「円盤部隊に出撃命令をお与えください。地球に一気に攻め込んで、隠れているデューク・フリードを叩き出してやります」
王女テロンナ
「そんな事をすれば戦争になります」。
ブラッキー隊長 「なぁに、このクイーンバーンにはヤーバン熱線ミサイルがありますからな。ガッタイガーなど恐るるに足りませんぞ」
王女テロンナ 「無差別攻撃はいけません。テレパシーで呼びかけましょう」
ブラッキー隊長 「そんな生ぬるい!地球人など科学の遅れた虫けら同然!」
王女テロンナ 「お黙りなさい!私達の目的はデューク・フリードを探し出し彼の持っているガッタイガーを持ち帰ることです」
ブラッキー隊長 「し・・・しかし・・・」
050 ナレーション テロンナ側にいるボディガード兼ペットのマシンパンサーがうなり声を上げてブラッキー隊長を威嚇した。
ブラッキー隊長
「う・・・くく・・・判りました。では円盤部隊でおびき出し作戦を!」
ナレーション ヤーバン星の円盤が、ニューヨーク、パリ、ロンドン、東京上空を席巻していった。
北海道の牧野牧場。
牧野幸造 「しっかり押さえてろよ。待ちに待ったチャンスだ」
牧野ひかる 「何してんの?父ちゃん!」
牧野幸造 「テレビ見なかったのかよ?円盤がこっち向かってんだ。今度こそバッチリだ」
ナレーション 牧野牧場の上空を円盤が横切っていく。
宇門宇宙科学研究所の屋上で、大介が自問している。
宇門大介 『どうする・・・ヤーバン星人が攻めてきたら俺はどうすればいいんだ・・・」
ナレーション その時テロンナのテレパシーが大介の耳に届いた。
王女テロンナ 『デューク・フリードに告ぐ』
060 宇門大介
「あぁ!」
王女テロンナ 『私はヤーバン星の王女テロンナです。私はあなたと話し合う用意があります。速やかに出てきなさい。出てこなければ地球を攻撃します』
宇門大介 「なぜ地球にまでやってきたんだ。テロンナの馬鹿やろう!」
ナレーション
バイクを飛ばし、大介は岩場の洞窟へやってきた。その中に、円盤スパイカーが隠されてあった。
腕時計のリューズを伸すと、洞窟の一部がズリズリと動き、そこにコントロールバー「スターカー」が収められていた。
宇門大介 「このスターカーのキャップを抜けば、俺はフリード星の王子デューク・フリードに戻る」
宇門所長 「だが、二度と平和な地球には戻れない」
宇門大介 「お父さん」
宇門所長 「それを抜いてはいけない。お前は戦うことを捨てた男だ。デューク・フリードではなく、この宇門源蔵の息子、大介だ」
宇門大介 「しかし・・・」
宇門所長 「お前は宇宙の争いを逃れてこの地獄谷に不時着した。そしてわしに誓った。二度とこのガッタイガーに乗らないとな」
070 宇門大介 「デューク・フリードになれば地球を離れなければならない。俺はいつまでも宇門大介のままでいたい」
ナレーション ヤーバン星の母船クイーンバーンの中で一人テロンナがたたずんで居る。
王女テロンナ 『デューク・フリード、どうして私のテレパシーに応えてくれないの?」
ブラッキー隊長
「いつまで待っても無駄です。腰抜けのデューク・フリードは出てくるわけはありません」
王女テロンナ 「もうしばらく待って・・・」
ブラッキー隊長 「フン!・・・姫がデューク・フリードと幼なじみなのは存じておりますがね・・・今は、敵と味方ですぞ」
王女テロンナ 「判っています。でも・・・」
ブラッキー隊長 「目的のためなら手段を選ぶな!・・・lこれが!父君ヤーバン大王のお言葉!姫、あなたはこのヤーバン円盤部隊の総司令官でいらっしゃることをお忘れなく」

「では、よろしいですな?」
「全円盤部隊に告ぐ!世界各国を攻撃せよ!」
ナレーション
地球の成層圏外に停船していたヤーバン円盤部隊が一斉に世界各国へ飛び、一斉攻撃を開始した。ビーム砲が街を村を襲い、ビルが家が山が火柱を吹き上げ、崩壊していく。地上は火の海と化していった。
女王テロンナ 『とうとう私はやってしまった・・・。デューク・フリード、あなたがいけないのよ』

「あなたが応えてくれないから・・・」
080 ブラッキー隊長 『姫がデューク・フリードと幼なじみなのは存じておりますがね・・・』
ナレーション 牧野牧場、幸造がトラクターに乗り地上に何か描いていた。
牧野ひかる 「何をする気なの?父ちゃん?」
牧野幸造 「へへへへ、円盤を着陸させるんだよ。ここへな」
牧野ひかる 「何ですって!?」
牧野吾郎 「気は確かなんだろうな?」
牧野幸造
「南アメリカのペルーって所のナスカ高原にはよ、大昔に描かれた大図形があるんだ。円盤の基地だったといわれてる奴がな。いや、最も俺のはそれにちィっとばかり改良が加えてあるけどさ。ハハハハハ」
牧野吾郎 「はぁ?」
牧野ひかる 「ばかばかしい!」
牧野幸造 「円盤は必ずこの大図形に着陸するぞ!ナウな男のナウな自信よ!」
090 ナレーション
クイーンバーンではテロンナが再びデューク・フリードにテレパシーを送っていた。
王女テロンナ 『デューク・フリード、どうしても出てこないの?どうしても会ってはくれないの?それならいいわ、今地球にはどれだけ沢山の核兵器があるかあなたも知ってるでしょ?私達はそれを一度に爆発させることの出来る装置があるのよ』
宇門大介 『えっ!待ってくれ!テ・・・テロンナ!」
王女テロンナ 「聞こえた!・・・デューク・フリードの声!デューク・フリード!あなたなのね」
宇門大介 『そうだ、デューク・フリードだよ、テロンナ。会おう、だからこれ以上地球に危害を加えないでくれ」
王女テロンナ 『わかったわ」
ナレーション
大介はテロンナに会うためにバイクを飛ばしてやってきた。
宇門大介 「来たぞテロンナどこにいる!」
ナレーション 上空からクイーンバーンが静かに地上に降りて来た。
ブラッキー隊長 「姫、デューク・フリードが参りました」
100 王女テロンナ 「ブラッキー隊長、あなたは下がっていてください」
ブラッキー隊長 「し・・・しかし・・・」
王女テロンナ 「いいからお下がり」
ブラッキー隊長
「は・・・はい・・・・」
宇門大介 「やあ、テロンナ」
王女テロンナ 「その姿は・・・どうして地球人の姿などに?」
宇門大介 「宇門大介、これが地球人としての俺の名前であり姿なんだ」
王女テロンナ 「地球人として・・・」
宇門大介 「デューク・フリードは死んだんだよ、テロンナ」
王女テロンナ 「そんなにまでして地球に・・・」
110 宇門大介 「この美しい地球を愛し、地球の土になりたいと思っている」
王女テロンナ 「地球の土に・・・だから私の呼びかけに応えてくれなかったの?」
宇門大介 「君はなに不自由ないプリンセスだ。それでいいじゃないか」
王女テロンナ
「・・・本当にそう思う?」
宇門大介 「・・・は!・・・あの髪飾りをまだ・・・」
王女テロンナ 「プリンセスでも、なに不自由なくても私の心にはこれしか無いのですもの・・・」
宇門大介 「テロンナ、君はそんなにまでして・・・」
王女テロンナ
「そうよ・・・ねぇ、デューク・フリード、一緒に行きましょう。フリード星へ。二人で平和を築くの」
宇門大介 「愛と平和とそして豊かな緑の星、フリード星・・・」
「それは無理だよ・・・テロンナ。君の父、ヤーバン大王は俺の星、平和なフリード星を滅ぼした。俺はガッタイガーで宇宙に逃れた。ガッタイガーを君たちヤーバン星人に渡してしまったら、宇宙の全てが戦いの渦に巻き込まれてしまうに違いなかった」
「君もさすがにヤーバン大王の娘だ。ガッタイガーを奪いにわざわざ地球までやってきたんだからな」
王女テロンナ 「違う!違うわデューク・フリード!」
120 宇門大介 「何が違うんだ!フリード星だけは飽き足らず、君は、罪もない地球の街を焼いた!」
王女テロンナ 「そ・・・それは・・・」
ブラッキー隊長 『姫。あなたはこのヤーバン円盤部隊の総司令官でいらっしゃることをお忘れなく』
王女テロンナ 「帰って・・・帰ってちょうだい・・・」
ナレーション 大介に背を向けうなだれるテロンナ。大介はテロンナを一瞥してクイーンバーンを降りていった。
ブラッキー隊長
「姫!気でも狂ったのですか?奴をこのまま帰してしまうとは!拷問にかけてもガッタイガーの隠し場所を白状させなければ・・・!」
王女テロンナ 「マシンパンサー!」
ナレーション テロンナの命を受け、マシーンパンサーがブラッキー隊長へ襲い掛かっていった。
王女テロンナ 「ガッタイガーは私のやり方で探します」
ブラッキー隊長 「わ・・・わかりました・・・わかりましたからこのマシンパンサーを・・・」
130 ナレーション
テロンナが戦闘服に着替え専用円盤テロンバーンへ乗り込んでいった。供をするのはマシンパンサーである。
モニター画面を見ながらブラッキー隊長がうそぶいていた。
ブラッキー隊長 「フン、困ったお姫様だ」
王女テロンナ 『ガッタイガーさへ見つけだせばきっとデューク・フリードも考えを変えるわ・・・ん?・・・あ、デューク・フリード』
『デューク・フリード・・・あ・・・』
牧野ひかる 「大介く〜〜ん!」
「どこ行ってたのよ?」
宇門大介 「うちから出ちゃ駄目だって言ったろう」
牧野ひかる 「だってぇ・・・」
王女テロンナ 『あの娘のために地球に残るつもりでは・・・』
宇門大介 「おてんばだなあ、馬になんか乗っちゃって」
牧野ひかる 「おてんばは生まれつき・・・あ!」
ナレーション テロンバーンがひかる達の上空を飛行し、驚いたひかるは落馬した。
140 宇門大介 「大丈夫か?ひかるさん」
「しっかりつかまってるんだぞ」
王女テロンナ 「まさか・・・まさかデューク・フリードは地球の娘などに心を・・・」
宇門大介 『この美しい地球を愛し、地球の土になりたいと思っている』
ナレーション テロンバーンは牧野牧場の上空へ飛来すると静止した。
牧野吾郎 「あ!円盤だ!」
牧野幸造 「UFOウェルカム!」
牧野吾郎 「着陸する!・・・やった〜〜〜!」
牧野幸造 「やったぁ!」
宇門大介 「テロンナ・・・」
牧野幸造 「ハロ〜ハロ〜グッドモ〜ニング」
150 牧野吾郎 「と、父ちゃん大丈夫?」
牧野幸造 「へ〜きへ〜き、宇宙人は可愛い子ちゃん、へへへへ」
ナレーション
マシンパンサーの目が光った。目から発した光線は牧野牧場の牛舎を破壊した。
宇門大介 「テロンナ!やめろ」
王女テロンナ 「あなたの名は?」
牧野ひかる 「ひかる・・・牧野ひかる・・・あなた誰よ!」
王女テロンナ 「デューク・フリード」
牧野ひかる 「デューク・フリード?」
王女テロンナ 「ガッタイガーはどこ?正直に教えてちょうだい」
「・・・そう、どうしても渡さないつもりね。やむおえないわ」
ナレーション テロンナの合図でマシンパンサーが唸りをあげてひかるへ飛び掛った。
160 宇門大介 「テロンナ何をするんだ!」

「ひかるさん!」
王女テロンナ 「動かないで!」
牧野ひかる 「大介さん・・・助けて・・・!」
宇門大介 「待ってくれテロンナ」
「渡す・・・だからこの娘を自由にしてやってくれ」
王女テロンナ 「じゃあ、見せて。ガッタイガーを」
ナレーション 大介は胸からスターカーを取り出した。
宇門大介
「ガッタイガー!ゴーー!!」
ナレーション スターカーをひねるとまぶしい光を発した。
地中ではガッタイガーが振動を始めた。

《研究所職員》
「あ!凄い地震です。どんどん強くなっていきます」
宇門所長 「震源地は?」
ナレーション 《研究所職員》
「はい。あ、出ました。近い、地獄谷です」
170 宇門所長 「地獄谷・・・大介の奴、ついに・・・」
ナレーション
ガッタイガーは地中からゆっくりと上昇を始めた。地響きがあたりを揺さぶった。

《研究所職員》
「所長、山頂の湖が決壊しました」
宇門所長 「大丈夫だ。あの付近に民家は無い」
ナレーション ガッタイガーがついに地上へ姿を現した。
宇門大介 「持って行け1とっとと失せろ」
王女テロンナ 『命より大事にしていたガッタイガーを、小娘と引き替えにするなんて、そんな・・・」
ブラッキー隊長
『姫、お手柄ですぞ』
「ガッタイガーはこちらのものだ。デューク・フリード観念しろ」
宇門大介 「何をする!」
ブラッキー隊長
「どのみちこんな地球など木っ端微塵にしてやるんだ」
宇門大介 「何だって!」
180 ブラッキー隊長 「じたばたするなデューク・フリード」
宇門大介
「も、もはやこれまでか・・・」
「デューク・フリード!」
ナレーション スターカーを回し半分を引き抜いた。眩い光の中に、デューク・フリードの姿をした大介が現れた。
王女テロンナ 「デューク・フリード!」
デューク・フリード 「スター・フラッシュ!」
ナレーション スターカーからビームが伸び、ブラッキー隊長率いる兵達を倒していった。
デューク・フリード 「スターカー・フルーレ!」
ナレーション スターカーの先が剣のように伸び、その剣先に触れたマシンパンサーは爆発した。
ブラッキー隊長 「円盤部隊!」
ナレーション
円盤が変形しロボットになった。
190 デューク・フリード
「ひかるさん達、心配しなくても大丈夫だよ」

「ブレイクアップ・ロボイザー!」
ナレーション ガッタイガーからロボットが分離変形して現れた。デューク・フリードはその頭部に飛び乗った。
デューク・フリード 「行くぞ!ロボイザー!」
ブラッキー隊長 「攻撃!」
ナレーション 円盤部隊とロボイザーの壮絶な戦いが始まった。円盤獣が火を吐いた。
デューク・フリード 「そんなものがこのロボイザーに通用するか!」
「そうか、ここで戦っては地球の人たちが危険だ」

「スペイザー・ゴーー!」
「ギャザー!ガッタイガーー!」
ナレーション 「ロボイザーとスペイザーは空中で再び一体化し円盤型宇宙船ガッタイガーとなった。
ブラッキー隊長
「逃げたぞ!全員、追撃!」
「姫!早くクイーンバーンに!」

「相手はたった一機の円盤だ。総攻撃開始!」
ナレーション 飛行するガッタイガーに敵円盤部隊のビーム攻撃が襲う。ガッタイガーはそれを巧みに避けている。
デューク・フリード 「ようし、この辺ならいいだろう」

「ニードル・シャワー!」
200 ナレーション 反転して円盤部隊へ攻撃を仕掛けていく。
デューク・フリード 「スペース・サンダー!」
ブラッキー隊長 「ガッタイガー、なんと言う強さ・・・」
ナレーション 《兵士》
「円盤部隊全滅です!戦闘コマンド全滅!」
ブラッキー隊長 「いよいよ、ヤーバン熱線ミサイルを使う時だ。一発でとどめを刺してやる」
テロンナ王女 『いけません、ブラッキー隊長』
ナレーション 通信機からテロンナの声が流れる。
ブラッキー隊長 「テロンナ姫!いつの間に・・・」
テロンナ王女
『私が戦います』
『一騎打ちなら望むところ。私が指令するまで熱線ミサイルを使ってはなりません』
デューク・フリード 「残るはあのクイーンバーンだけか・・・ん?テロンナ」
210 ブラッキー隊長 「ば・・・馬鹿な!無茶です姫!」
デューク・フリード 「テロンナ、どうして、どうしてこんなことにならなきゃならないんだ」
王女テロンナ 「私にもわからない」
デューク・フリード 「小さいときから一緒に育った君と俺が、どうして戦わなきゃならないんだ・・・テロンナ!どうしてなんだ」
王女テロンナ
「デューク・フリード、もう一度だけ聞くわ。私と一緒にフリード星へ行く気はないの?」
デューク・フリード 「俺の故里は地球だ・・・」
ナレーション テロンナが悲しそうに目を伏せ、レーザー砲のスイッチを押す。テロンバーンからレーザーが発射されガッタイガーを襲った。
デューク・フリード
「やめろテロンナ!君とだけは戦いたくない!」
「やめてくれ!君のテロンバーンなどこのガッタイガーの敵じゃないんだ!」
王女テロンナ 「だから、早く撃ったらいいでしょ!ニードルシャワーでもスペースサンダーでも!うぅ・・・・」
ナレーション テロンナの目から涙が溢れている。
220 ブラッキー隊長 「ええい!もう我慢できん!熱線ミサイル用意!」
王女テロンナ 「あ!危ない!!」
ナレーション テロンバーンがガッタイガーをすり抜けクイーンバーンの前に躍り出た。発射された熱線ミサイルがテロンバーンを撃ち抜いた。炎を上げながらテロンバーンが落ちていく。
デューク・フリード 「テロンナ!」
ブラッキー隊長 「くそ!もう一度ガッタイガーを狙え!」
ナレーション
最後の力をふりしぼり、テロンナはビームを発射。熱線ミサイル発射口を破壊した。テロンバーンは制御を失いきりもみしながら落ちていく。
デューク・フリード 「テロンナ!」

「くそ!よくも!スパイカースピン!」
ブラッキー隊長 「くそ、こうなったら核爆発誘発装置で地球など吹っ飛ばしてやる」
ナレーション クイーンバーンは鋭い刃によって真っ二つに切り裂かれた。
デューク・フリード 「ダンダーフォーカス!」
230 ナレーション クイーンバーンは粉々に吹っ飛んだ。

地上に不時着したテロンバーンぁら外へ放り出されたテロンナのもとへデューク・フリードが駆け寄り抱き起こす。
デューク・フリード 「テロンナ、しっかりするんだ。テロンナ」
王女テロンナ 「・・・髪飾り・・・壊れちゃった・・・」
デューク・フリード
「どうしてなんだ、わざとレーザーの狙いを外し、熱線ミサイルから俺をかばったのは、なぜなんだ?」
王女テロンナ 「あなた・・・を・・・死なせたくなかった・・・」
「あなたが・・・あなたが愛した地球の土に・・・なれるのが嬉しいわ・・・」
「遠い地球まで追ってきたのに・・・あなた、私の頼みを訊いてくれなかった・・・でも、コレだけは聞いて・・・。最期のお願い・・・私が死んだら・・・一度だけ強く抱きしめて・・・デューク・フリー・・・」
デューク・フリード
「テロンナ!」
「武器の無い世界に生まれていたら俺たちは愛し合えたろうに・・・」
「テロンナ!!」
ナレーション
デューク・フリードは胸の中にテロンナをきつく抱きしめ、涙を流した。
デューク・フリード 『俺が地球にとどまれば、また次の円盤部隊が来るだろう。このガッタイガーを狙って・・・』
「地球をこれ以上戦渦に巻き込むわけにはいかない」
牧野吾郎 「どうしても行っちゃうの?」
牧野ひかる 「ふん!いきたきゃどこへでもとっとと行きなさいよ!」
240 デューク・フリード
「地球がピンチになったら俺はどこからでも飛んでくる。宇宙の果てからでも」
「それじゃ」
ナレーション デューク・フリードを乗せたガッタイガーは夕日の沈む空の彼方へ飛び立っていった。
牧野ひかる
「あ!・・・大介さ〜〜ん!!待ってるわよ〜〜〜!帰ってきて〜〜!」
ED曲 『もえる愛の星』(作詞:保富康午、作曲:菊池俊輔、歌:ささきいさお、コーポレーション3)

劇 終

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