MATRIX
RELOADED【マトリックス・リローデッド】
ネオ | モーフィアス |
トリニティ | エージェント・スミス |
ナイオビ | バーセフォニー |
(セラフ) |
001 | バーセフォニー | 「キー・メーカーに会いたければついてきて。」 |
N | バーセフォニーに導かれ、ネオたちが入ってきたのは男性トイレの中。用をたしている男がいる。 | |
バーセフォニー | 「出て行って。」
「あの人のクダラナイ話はもう、うんざり。いつもいつも、嫌味たらしい奴。ずっと昔だけど、始めて来た頃は・・こんなんじゃなかった。あの人も違ってた・・。」 |
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N | バーセフォニーの目がネオを熱く見つめる。 | |
バーセフォニー | 「あなたみたいだった。」
「あなたの欲しいものをあげる。でも、わたしも欲しいものがある。」 |
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ネオ | 「何だ?」 | |
バーセフォニー | 「キスよ。」 | |
トリニティ | 「何ですって?」 | |
バーセフォニー | 「わたしにキスして欲しいの。その人にする時みたいに。」 | |
010 | ネオ | 「何故だ?」 |
バーセフォニー | 「あなたは愛してる。その人も愛してる。二人の周りに漂ってる。ずっと昔は、わたしもどんな気持ちか知ってた。・・・それを思い出したいから・・。ちょっと味わいたいの。・・それだけ・・ほんの味見。」 | |
N | トリニティが銃を抜き、バーセフォニーに向けた。 | |
トリニティ | 「かわりにこっちはどう?」 | |
モーフィアス | 「トリニティ。」 | |
バーセフォニー | 「ふー・・感情的ね。こんな些細な事で・・ただのキスじゃない。」 | |
ネオ | 「信じていい証拠は?」 | |
バーセフォニー | 「もし、キー・メーカーに会わせなかったら、わたしを殺せばいい。」 | |
N | ネオはトリニティの顔を見る。トリニティもネオを見る。ネオはバーセフォニーに振り向き、言った。 | |
ネオ | 「わかった。」 | |
020 | バーセフォニー | 「でも、わたしに感じさせてね。・・その人になったと・・。」 |
ネオ | 「いいとも・・。」 | |
N | ネオはバーセフォニーに顔を近づけ、唇を重ねた。 | |
バーセフォニー | 「・・・最低ね。忘れて。」 | |
N | バーセフォニーはくるりと反対方向を向き、出て行こうとした。 | |
ネオ | 「待て。・・分かった・・。」 | |
N | ネオは再び唇を重ね、バーセフォニーを熱く抱擁した。 | |
バーセフォニー | 「えぇ・・これでいい・・。」
「あなたが羨ましい・・・。でもこんな事、長くは続かないものよ。」 「一緒に来て。」 |
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N | 厨房を横切り、開いていた出口の扉を閉め、キーを回すバーセフォニー。再び開けると、その先はメロビンジアンの部屋につながっていた。部屋の中に用心棒が2人控えていた。 | |
バーセフォニー | 「いいのよ、大丈夫。わたしの知り合い。わたしの夫が使ってる人たちよ。危ない仕事を任せてる。忠実で優秀よ。ねえ、そうでしょ?」 「もともとは古いバージョンのマトリックスにいたの。そう、当時はよくいたけど問題を解決するより起こすほうだったわ。しぶとくて始末ができないので有名だったから夫が助けたの。」 「銃に銀の弾を入れてる人はどれくらいいるかしら。」 |
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030 | N | いきなりバーセフォニーが、ひとりの用心棒の額を撃ち抜いた。残るひとりに銃を向ける。 |
バーセフォニー | 「レストランに走っていって、わたしがした事をわたしの夫に知らせてらっしゃい。それともここで死にたい?」
「婦人用トイレにいるわ。」 |
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N | バーセフォニーが本棚の一冊の本を引っ張る。すると、本棚の一部がくるりと回った。 | |
バーセフォニー | 「急いで。」 | |
N | 薄暗い通路の中でバーセフォニーが黙って手で右の通路を指し示した。重い木の扉を開けると、ひとりの男が壁に吊り下げられた鍵に囲まれて座っていた。 | |
ネオ | 「俺の名前はネオ。」 | |
キー・メーカー | 「わたしはキー・メーカーだ。あなたを待ってた。」 | |
N | バーセフォニーがエントランスホールへでてきた。そこへメロビンジアンが部下達を伴って帰ってきた。 | |
メロビンジアン | 「あぁ!、どういうことだ、バーセフォニー。よくもわたしを裏切ったな。・・クソ!kノヤロ!クタバレ!コンチクショー!!」 | |
バーセフォニー | 「原因と結果よ、あなた。」 | |
040 | メロビンジアン | 「原因?こんなもんに原因なんかあるか!何が原因だ!」 |
バーセフォニー | 「何が原因か?あなたについてる口紅なんてどう?」 | |
メロビンジアン | 「口紅?口紅だと?・・はは・・・バカ言うな、そんなもんついてるもんか。」 | |
N | メロビンジアンは思わず手で唇をぬぐい、その手をチラッと見た。 | |
メロビンジアン | 「何が口紅だ。」 | |
バーセフォニー | 「あなたの顔にはキスしなかったのね。」 | |
メロビンジアン | 「い・・いやいやいや・違う・・そうじゃない・・・これは何でもない・・これは遊びだ・・ただの遊びだ。なんでもない。」 | |
バーセフォニー | 「それならこれも・・楽しんで。」 | |
N | バーセフォニーは部屋を出て行った。 | |
メロビンジアン | 「なるほど・・・いいだろう・・どうなるか楽しみだな。」
「お前達、キー・メーカーを押さえろ。」 |
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050 | トリニティ | 「なかなかやるわね。」 |
キー・メーカー | 「わたしは戻らない。」 | |
N | キーメーカーが逃げていく。トリニティがその後を追う。 | |
ネオ | 「俺が片づける。」 | |
N | モーフィアスも後を追った。 | |
メロビンジアン | 「片づける?片づけるだと!”前任者たち”はもっと敬意を払ったぞ!」 | |
N | 部下達が一斉にマシンガンを発射する。ネオが右手の手のひらを前にかざした。弾は全てネオの前に止まり、ネオが手を下ろすと、弾もバラバラと床に落ちた。 | |
メロビンジアン | 「なるほど、少しはできるな。」
「・・・殺せ。」 |
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N | 部下達が一斉に襲い掛かってくる。ネオはそれに余裕の表情で対していた。
つぎつぎと扉を開けてキー・メーカーが逃げる。それを追うトリニティとモーフィアス。 青龍刀の刃を手刀で止めるネオ。その手から血が滴り落ちた。 |
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メロビンジアン | 「見ろ。ただの人間だ。」 | |
060 | N | ネロと男たちの死闘は続いている。
やがて、メロビンジアンの部下達はことごとく打ち倒されていった。 |
メロビンジアン | 「・・女って奴は本当に頭に来る!」
「・・いいか忘れるな。わたしの言うことをようく覚えておけ。」 「わたしはお前の前任者たちを見てきた。お前の最期も見てやる!」 |
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N | メロビンジアンが部屋を出て行く。扉が重い音を立てて閉ざされた。ネオが扉を開けた。するとそこにははるか彼方、チベットの山があった。
キー・メーカーが逃げる。トリニティたちが追いついた。 |
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トリニティ | 「どこ行くの!」 | |
キー・メーカー | 「反対側・・常に反対側へ・・。」 | |
N | 扉を開けると地下駐車場へでた。 | |
キー・メーカー | 「閉めて!早く!」 | |
N | メロビンジアンのボディガード、ツインズが追ってきた。キー・メーカーは駐車中の車に飛び乗りエンジンをかけた。 | |
モーフィアス | 「彼を頼む!」 | |
トリニティ | 「ネオはどうするの?」 | |
070 | モーフィアス | 「あいつは心配ない。」 |
トリニティ | 「後ろに乗って!」 | |
N | キー・メーカーと交代し、車を急発進させ駐車場を出て行く。
一方、ネオはドアの外の異様な風景に戸惑っていた。 |
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リンク | 「オペレーター。」 | |
ネオ | 「リンク。ここはどこだ。」 | |
リンク | 「へっ・・信じらんないだろうけど、はるか彼方の山ん中。」 | |
ネオ | 「そうか・・」 | |
リンク | 「すぐには出口は見つからない。・・あぁ・くそ!」 | |
ネオ | 「どうした?」 | |
リンク | 「あのツイン野郎がモーフィアス達を追ってるが出口がない。」 | |
080 | ネオ | 「みんなはどこだ?」 |
リンク | 「街ん中、そこから南へ、800キロ・・。」 | |
N | ネオの体は空中を弾丸のように飛行していった。みるみる山が飛び、河が飛び、雲を突き抜けていく。
疾走する車の中でモーフィアスがリンクに連絡を入れる。 |
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リンク | 「オペレーター。」 | |
モーフィアス | 「ここから出してくれ、リンク。」 | |
リンク | 「そこからじゃ難しいです。」 | |
モーフィアス | 「分かってる。ネットワークのコアだな。」 | |
リンク | 「そうです。一番近い出口は、ウィンズブロー陸橋です。」 | |
モーフィアス | 「フリーウェイの先か?」 | |
リンク | 「そうです。」 | |
090 | モーフィアス | 「わかった、すぐ向かう。」 |
リンク | 「船長・・ですが・・・危ない!後ろに!!」 | |
N | 後ろからランドクルーザーがブチ当たる。火花が飛びハンドルを取られた。車の天井ルーフからツインズが自動小銃を構えた。 | |
リンク | 「危ない!撃ってきます。」 | |
モーフィアス | 「伏せろ!」 | |
N | 弾丸が車の後部を蜂の巣にし、リアウィンドウが粉々に砕け散った。その攻撃はますます激しく車を撃ち抜いていく。 | |
トリニティ | 「つかまって!」 | |
リンク | 「やばいぞ・・コリャ厳しい・・急すぎる・。」 | |
モーフィアス | 「これは見えるか?」 | |
リンク | 「はい。手配されてて前方にパトカーが8台います。」 | |
100 | モーフィアス | 「どっちに行けばいい!」 |
リンク | 「右です。」 | |
モーフィアス | 「右だ!曲がれ!」 | |
N | スピードを緩めず、直角に道路を曲がった。タイヤが悲鳴をあげる。 | |
リンク | 「真っ直ぐ行ったフェンスの先が101号線に入るトンネルです。」 | |
モーフィアス | 「よし!」 | |
リンク | 「船長、良いんですか?フリーウェイですよ。危険です。14年オペレーターやってて一度も・・。」 | |
モーフィアス | 「リンク、わたしは何と言った。」 | |
リンク | 「・・は・・はい、分かりました。ウィンズロですね、すぐ準備します。」 | |
モーフィアス | 「それでいい。」 | |
110 | トリニティ | 「フリーウェイには近づくなって言ってたでしょ。」 |
モーフィアス | 「そうだ、その通り。」 | |
トリニティ | 「自殺行為・・だって。」 | |
モーフィアス | 「それじゃ期待しよう。わたしの間違いを!」 | |
N | フェンスを突き破って進んでいく。 | |
リンク | 「オペレーター・・。」 | |
ナイオビ | 「リンク、ナイオビだけど。連れ戻しに派遣された。モーフィアスと話したいの。」 | |
リンク | 「彼にはあなたが必要だ。」 | |
ナイオビ | 「どこにいるの?」 | |
リンク | 「サイレンを追えば分かる。」 | |
120 | N | 車を追うパトカー。その中の警官にエージェントが憑依する。 |
N(エージェント) | 「発見したぞ。・・まずあのエグザイルが標的だ。」 | |
N | 疾走する車にツインズが機銃を撃ちながら迫ってくる。その後を、エージェントの乗ったパトカーが追う。 | |
モーフィアス | 「トリニティ、キー・メーカーを連れて行け。」 | |
N | ツインズの乗ったランドクルーザーがモーフィアスに迫ってくる。日本刀を構えるモーフィアス。突っ込んでくる車の前をすり抜けて、後ろのタイヤを切り裂いた。横転するランドクルーザーに向けて拳銃を発射。火を噴き上げて大爆発を起こした。 | |
トリニティ | 「モーフィアス・・。」 | |
リンク | 「船長は無事だ。そのまま行って。」 | |
トリニティ | 「行きましょう。」 | |
N | バイクの輸送車の上で、リンクに通信を送る。 | |
トリニティ | 「バイクの直結の仕方、ダウンロードして。」 | |
130 | リンク | 「はい、了解!短期集中コースでバイクの・・・。」 |
トリニティ | 「待って・・。今のキャンセル。・・あなた便利ね。」 | |
N | キー・メーカーの差し出した鍵をバイクに差し込むトリニティ。 | |
トリニティ | 「乗って。」 | |
134 | N | キー・メーカーを乗せたトリニティ。輸送車の天井からフリーウェイへ飛び出した。 |