MATRIX
RELOADED【マトリックス・リローデッド】

キアヌ・リーブス(ネオ)ネオ ローレンス・フィッシュバーン(モーフィアス)モーフィアス
キャリー=アン・モス(トリニティー)トリニティ ヒューゴ・ウィービング(エージェント・スミス)エージェント・スミス
ジャダ・ピンケット・スミス(ナイオビ)ナイオビ モニカ・ベルッチ(パーセフォニー)バーセフォニー

(セラフ)
(ジー)
(ロック司令官)
(リンク)
(メロビンジアン)
(ゴースト)
(キッド)
(ラマ) 
(ベイン)
(サティー)
(トレインマン)
(予言者/オラクル)
(ミフネ)

001 バーセフォニー 「キー・メーカーに会いたければついてきて。」
  バーセフォニーに導かれ、ネオたちが入ってきたのは男性トイレの中。用をたしている男がいる。
  バーセフォニー 「出て行って。」

「あの人のクダラナイ話はもう、うんざり。いつもいつも、嫌味たらしい奴。ずっと昔だけど、始めて来た頃は・・こんなんじゃなかった。あの人も違ってた・・。」

  バーセフォニーの目がネオを熱く見つめる。
  バーセフォニー 「あなたみたいだった。」

「あなたの欲しいものをあげる。でも、わたしも欲しいものがある。」

  ネオ 「何だ?」
  バーセフォニー 「キスよ。」
  トリニティ 「何ですって?」
  バーセフォニー 「わたしにキスして欲しいの。その人にする時みたいに。」
010 ネオ 「何故だ?」
  バーセフォニー 「あなたは愛してる。その人も愛してる。二人の周りに漂ってる。ずっと昔は、わたしもどんな気持ちか知ってた。・・・それを思い出したいから・・。ちょっと味わいたいの。・・それだけ・・ほんの味見。」
  トリニティが銃を抜き、バーセフォニーに向けた。
  トリニティ 「かわりにこっちはどう?」
  モーフィアス 「トリニティ。」
  バーセフォニー 「ふー・・感情的ね。こんな些細な事で・・ただのキスじゃない。」
  ネオ 「信じていい証拠は?」
  バーセフォニー 「もし、キー・メーカーに会わせなかったら、わたしを殺せばいい。」
  ネオはトリニティの顔を見る。トリニティもネオを見る。ネオはバーセフォニーに振り向き、言った。
  ネオ 「わかった。」
020 バーセフォニー 「でも、わたしに感じさせてね。・・その人になったと・・。」
  ネオ 「いいとも・・。」
  ネオはバーセフォニーに顔を近づけ、唇を重ねた。
  バーセフォニー 「・・・最低ね。忘れて。」
  バーセフォニーはくるりと反対方向を向き、出て行こうとした。
  ネオ 「待て。・・分かった・・。」
ネオは再び唇を重ね、バーセフォニーを熱く抱擁した。
バーセフォニー 「えぇ・・これでいい・・。」

「あなたが羨ましい・・・。でもこんな事、長くは続かないものよ。」

「一緒に来て。」

厨房を横切り、開いていた出口の扉を閉め、キーを回すバーセフォニー。再び開けると、その先はメロビンジアンの部屋につながっていた。部屋の中に用心棒が2人控えていた。
バーセフォニー 「いいのよ、大丈夫。わたしの知り合い。わたしの夫が使ってる人たちよ。危ない仕事を任せてる。忠実で優秀よ。ねえ、そうでしょ?」

「もともとは古いバージョンのマトリックスにいたの。そう、当時はよくいたけど問題を解決するより起こすほうだったわ。しぶとくて始末ができないので有名だったから夫が助けたの。」

「銃に銀の弾を入れてる人はどれくらいいるかしら。」

030 いきなりバーセフォニーが、ひとりの用心棒の額を撃ち抜いた。残るひとりに銃を向ける。
バーセフォニー 「レストランに走っていって、わたしがした事をわたしの夫に知らせてらっしゃい。それともここで死にたい?」

「婦人用トイレにいるわ。」

バーセフォニーが本棚の一冊の本を引っ張る。すると、本棚の一部がくるりと回った。
バーセフォニー 「急いで。」
薄暗い通路の中でバーセフォニーが黙って手で右の通路を指し示した。重い木の扉を開けると、ひとりの男が壁に吊り下げられた鍵に囲まれて座っていた。
ネオ 「俺の名前はネオ。」
キー・メーカー 「わたしはキー・メーカーだ。あなたを待ってた。」
バーセフォニーがエントランスホールへでてきた。そこへメロビンジアンが部下達を伴って帰ってきた。
メロビンジアン 「あぁ!、どういうことだ、バーセフォニー。よくもわたしを裏切ったな。・・クソ!kノヤロ!クタバレ!コンチクショー!!」
バーセフォニー 「原因と結果よ、あなた。」
040 メロビンジアン 「原因?こんなもんに原因なんかあるか!何が原因だ!」
バーセフォニー 「何が原因か?あなたについてる口紅なんてどう?」
メロビンジアン 「口紅?口紅だと?・・はは・・・バカ言うな、そんなもんついてるもんか。」
メロビンジアンは思わず手で唇をぬぐい、その手をチラッと見た。
メロビンジアン 「何が口紅だ。」
バーセフォニー 「あなたの顔にはキスしなかったのね。」
メロビンジアン 「い・・いやいやいや・違う・・そうじゃない・・・これは何でもない・・これは遊びだ・・ただの遊びだ。なんでもない。」
バーセフォニー 「それならこれも・・楽しんで。」
バーセフォニーは部屋を出て行った。
メロビンジアン 「なるほど・・・いいだろう・・どうなるか楽しみだな。」

「お前達、キー・メーカーを押さえろ。」

050 トリニティ 「なかなかやるわね。」
キー・メーカー 「わたしは戻らない。」
キーメーカーが逃げていく。トリニティがその後を追う。
ネオ 「俺が片づける。」
モーフィアスも後を追った。
メロビンジアン 「片づける?片づけるだと!”前任者たち”はもっと敬意を払ったぞ!」
部下達が一斉にマシンガンを発射する。ネオが右手の手のひらを前にかざした。弾は全てネオの前に止まり、ネオが手を下ろすと、弾もバラバラと床に落ちた。
メロビンジアン 「なるほど、少しはできるな。」

「・・・殺せ。」

部下達が一斉に襲い掛かってくる。ネオはそれに余裕の表情で対していた。

つぎつぎと扉を開けてキー・メーカーが逃げる。それを追うトリニティとモーフィアス。

青龍刀の刃を手刀で止めるネオ。その手から血が滴り落ちた。

メロビンジアン 「見ろ。ただの人間だ。」
060 ネロと男たちの死闘は続いている。

やがて、メロビンジアンの部下達はことごとく打ち倒されていった。

メロビンジアン 「・・女って奴は本当に頭に来る!」

「・・いいか忘れるな。わたしの言うことをようく覚えておけ。」

「わたしはお前の前任者たちを見てきた。お前の最期も見てやる!」

メロビンジアンが部屋を出て行く。扉が重い音を立てて閉ざされた。ネオが扉を開けた。するとそこにははるか彼方、チベットの山があった。

キー・メーカーが逃げる。トリニティたちが追いついた。

トリニティ 「どこ行くの!」
キー・メーカー 「反対側・・常に反対側へ・・。」
扉を開けると地下駐車場へでた。
キー・メーカー 「閉めて!早く!」
メロビンジアンのボディガード、ツインズが追ってきた。キー・メーカーは駐車中の車に飛び乗りエンジンをかけた。
モーフィアス 「彼を頼む!」
トリニティ 「ネオはどうするの?」
070 モーフィアス 「あいつは心配ない。」
トリニティ 「後ろに乗って!」
キー・メーカーと交代し、車を急発進させ駐車場を出て行く。

一方、ネオはドアの外の異様な風景に戸惑っていた。

リンク 「オペレーター。」
ネオ 「リンク。ここはどこだ。」
リンク 「へっ・・信じらんないだろうけど、はるか彼方の山ん中。」
ネオ 「そうか・・」
リンク 「すぐには出口は見つからない。・・あぁ・くそ!」
ネオ 「どうした?」
リンク 「あのツイン野郎がモーフィアス達を追ってるが出口がない。」
080 ネオ 「みんなはどこだ?」
リンク 「街ん中、そこから南へ、800キロ・・。」
ネオの体は空中を弾丸のように飛行していった。みるみる山が飛び、河が飛び、雲を突き抜けていく。

疾走する車の中でモーフィアスがリンクに連絡を入れる。

リンク 「オペレーター。」
モーフィアス 「ここから出してくれ、リンク。」
リンク 「そこからじゃ難しいです。」
モーフィアス 「分かってる。ネットワークのコアだな。」
リンク 「そうです。一番近い出口は、ウィンズブロー陸橋です。」
モーフィアス 「フリーウェイの先か?」
リンク 「そうです。」
090 モーフィアス 「わかった、すぐ向かう。」
リンク 「船長・・ですが・・・危ない!後ろに!!」
後ろからランドクルーザーがブチ当たる。火花が飛びハンドルを取られた。車の天井ルーフからツインズが自動小銃を構えた。
リンク 「危ない!撃ってきます。」
モーフィアス 「伏せろ!」
弾丸が車の後部を蜂の巣にし、リアウィンドウが粉々に砕け散った。その攻撃はますます激しく車を撃ち抜いていく。
トリニティ 「つかまって!」
リンク 「やばいぞ・・コリャ厳しい・・急すぎる・。」
モーフィアス 「これは見えるか?」
リンク 「はい。手配されてて前方にパトカーが8台います。」
100 モーフィアス 「どっちに行けばいい!」
リンク 「右です。」
モーフィアス 「右だ!曲がれ!」
スピードを緩めず、直角に道路を曲がった。タイヤが悲鳴をあげる。
リンク 「真っ直ぐ行ったフェンスの先が101号線に入るトンネルです。」
モーフィアス 「よし!」
リンク 「船長、良いんですか?フリーウェイですよ。危険です。14年オペレーターやってて一度も・・。」
モーフィアス 「リンク、わたしは何と言った。」
リンク 「・・は・・はい、分かりました。ウィンズロですね、すぐ準備します。」
モーフィアス 「それでいい。」
110 トリニティ 「フリーウェイには近づくなって言ってたでしょ。」
モーフィアス 「そうだ、その通り。」
トリニティ 「自殺行為・・だって。」
モーフィアス 「それじゃ期待しよう。わたしの間違いを!」
フェンスを突き破って進んでいく。
リンク 「オペレーター・・。」
ナイオビ 「リンク、ナイオビだけど。連れ戻しに派遣された。モーフィアスと話したいの。」
リンク 「彼にはあなたが必要だ。」
ナイオビ 「どこにいるの?」
リンク 「サイレンを追えば分かる。」
120 車を追うパトカー。その中の警官にエージェントが憑依する。
N(エージェント) 「発見したぞ。・・まずあのエグザイルが標的だ。」
疾走する車にツインズが機銃を撃ちながら迫ってくる。その後を、エージェントの乗ったパトカーが追う。
モーフィアス 「トリニティ、キー・メーカーを連れて行け。」
ツインズの乗ったランドクルーザーがモーフィアスに迫ってくる。日本刀を構えるモーフィアス。突っ込んでくる車の前をすり抜けて、後ろのタイヤを切り裂いた。横転するランドクルーザーに向けて拳銃を発射。火を噴き上げて大爆発を起こした。
トリニティ 「モーフィアス・・。」
リンク 「船長は無事だ。そのまま行って。」
トリニティ 「行きましょう。」
バイクの輸送車の上で、リンクに通信を送る。
トリニティ 「バイクの直結の仕方、ダウンロードして。」
130 リンク 「はい、了解!短期集中コースでバイクの・・・。」
トリニティ 「待って・・。今のキャンセル。・・あなた便利ね。」
キー・メーカーの差し出した鍵をバイクに差し込むトリニティ。
トリニティ 「乗って。」
134 キー・メーカーを乗せたトリニティ。輸送車の天井からフリーウェイへ飛び出した。
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