攻殻機動隊
THE GHOST IN THE SHELL
原作:士郎正宗 講談社MAGAZINE
01 PROLOGUE | ||
001 | N | 企業のネットが星を被い、電子や光が駆け巡っても、国家や民族が消えてなくなる程、情報化されていない近未来。アジアの一角に横たわる奇妙な企業集合体国、日本・・・、新浜県、海上都市ニューポートシティ、2029年3月5日。
ビルの一室で男たちが密談を交わしている。その様子をモニター画面で見つめる男がいる。 |
荒巻 | 「2班まだか!」 | |
N | 重装備の警官達がビルを取り巻いている。
《せりふ・警官》 《せりふ・モニターの声》 |
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草薙素子 | 「うるさいなあ、わかってるって。暗号変換AI任せだとネコにもネズミにも聞かれるわよ」 | |
N | ビルの内部を縦横に走る配管の中で女が応えた。 | |
荒巻 | 「よし、ビルの防電磁シールドを切れ!全班無線オープン!突入しろ!!」 | |
N | 号令のもと、一斉にビルの中へなだれ込んでいく。銃弾が飛び交い負傷者が出る。 | |
外交官 | 「公安ごときに囲まれたのか!?バカめ!!」 「やめんか!誰が撃てと命じた!?」 |
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N | 銃を構えた警官が男たちの周りを取り囲んだ。 | |
010 | 外交官 | 「外交官!免責特権だ!責任者をここへ呼べ!!」 |
荒巻 | 「極東通商代表部に商務省の次官殿と組合幹部か・・・武装は没収させてもらうぞ」 | |
外交官 | 「貴様か荒巻!」 | |
荒巻 | 「その様子は外務省や防衛庁も見とる・・・やっとで貴様を本国に送還できるだけの証拠を手に入れたというわけだ」 | |
外交官 | 「その前に召還状が届くだろう。外交問題に考慮して」 | |
荒巻 | 「商務省の伊東次官には審問に出て頂こうか。前首相爆殺の件で会談場所の情報が漏れたルートについても詳しく供述してもらうためにな」 | |
外交官 | 「それは不可能だな、荒巻・・・彼は私と同じアエロフロートに乗る。彼は亡命を希望し受諾され宣誓書にもサインしとる」 | |
荒巻 | 「いつ!?」 | |
外交官 | 「答える義務はない。したがって我国は国際法に基づき彼を保護し連れ帰る権利を有する!」 | |
荒巻 | 「では国際テロ防止法に基づき伊東元次官の身柄引渡しを要求する!」 | |
020 | 外交官 | 「書面が送付されたら中央と検討し返答する。ちなみに亡命の書類は大使館にある・・・後日コピーを転送してやろう」 |
N | 荒巻は伊東元次官に振り向き言った。 | |
荒巻 | 「いいのか伊東元次官、暗殺されるぞ」 | |
N | 伊東は荒巻の言葉に青くなるが、外交官は鼻で笑った。 | |
外交官 | 「ふっ・・我国は平和主義の文明国だぞ」 | |
草薙素子 | 「あらそう!?」 | |
N | 窓から無数の低速、軟弾頭系の炸裂弾が外交官に撃ち込まれた。内部で炸裂し、内臓を吹き飛ばして外交官は爆死した。 | |
荒巻 | 「窓の外だ!」 | |
N | 警官の機銃が窓へ向かって撃ちこまれる。窓ガラスが粉々になって吹っ飛ぶ。窓から外を見た荒巻の眼に夜景に溶け込むように消えて行く女の姿が映った。 | |
荒巻 | 「2902熱光学迷彩!?」 | |
030 | N | 驚愕の眼で荒巻は凝視している。そこにはいつもとかわらぬ街のネオンが瞬いていた。
翌日その女は内務大臣のオフィスに座っていた。前首相発行の暗殺命令書を持って・・・・唯一確かなのは、危機管理の必要性と・・草薙素子少佐と名乗る彼女の能力だけだった・・・。 |
02 SUPER SPARTAN |
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N | 満開の桜の元、花見気分としゃれ込む草薙の元へ荒巻から通信が入った。 | |
荒巻 | 「仕事だ少佐。南新浜4区、水仙と合流待機しろ」 | |
草薙素子 | 「やなこった、へへーーん」 | |
荒巻 | 「貴様が要求してた予算は通したぞ、仕事しろ」 | |
N | 草薙は杯に浮かんだ桜の花びらとともにクイッと酒をあおった。草薙はバトーから伸ばした電脳コネクタを首筋のジャックに刺した。 | |
草薙素子 | 「う・・ん・・」 | |
バトー | 『いやらしい声だすな気色悪い』 | |
草薙素子 | 『この前埋め込んだ聴覚デバイスが接触不良なのよ!で?』 | |
N | 仲間達からの思考がバトーを通じて草薙の頭に流れ込んでくる。
《せりふ・仲間》 |
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040 | 草薙素子 | 『正式な特殊部隊の設立を内務大臣(ボス)に申請するには公安部の協力も必要だわ』 |
バトー | 『奴は我々に独立より専属を望んでる』 | |
草薙素子 | 『だったらなおさら退けない事ぐらい奴も計算づくよ』
「よし!桜の24時間監視は中止!ヌードバーに連れてってやるぞ!」 |
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N | 半島をぐるっと巡るハイウエイを疾走する草薙、バトー達。 | |
草薙素子 | 『全員、ブレインダイビング用意!』 | |
バトー | 『無線だと、枝がつくぞ』 | |
草薙素子 | 『状況説明しておいて欲しいでしょ?』
『枝祓いに超天才電脳技師の攻勢防壁を使うハッカー殺しのハードな奴よ』 『チリチリする辺りがゴーストラインそれ以上は潜るな』 |
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N | メンバー達の意識が草薙の脳にシンクロしていく。
《せりふ・声》 |
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草薙素子 | 『さあ情報は仕入れただろ、2秒で出ていかないと脳細胞焼くわよ』
『そろいもそろってゴースト近くまで潜って来やがって、くそッ。これだからデリカシーのない野郎共を脳に入れるのは嫌なんだ』 |
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N | 新浜4区。古びた木造の建物の影に一台の車が止まっている。中に草薙とバトー、そしてオペレーターの水仙がいた。 | |
050 | 草薙素子 | 「状況は?」 |
オペレーター | 「現在、公安部は聖庶民救済センターを完全監視下においてます」 | |
草薙素子 | 「聖庶民救済センター?」 | |
オペレーター | 「福祉施設です少佐殿。戦災孤児をひきとって生活、学習、職業を提供する所です」 | |
草薙素子 | 「じゃ私らは必要無いな、バイバイ・・」 | |
オペレーター | 「洗脳装置(ゴーストコントローラー)があるんです少佐殿」 | |
草薙素子 | 「アナクロォ」 | |
オペレーター | 「この救済センターは社会に出す人材のレンジが広い事で知られてます」
「政治家、評論家、犯罪者・・などなど・・」 |
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草薙素子 | 「似たようなもんだ」 | |
N | モニターに荒巻の顔が浮かぶ。 | |
060 | 荒巻 | 「公安部ではそこを『人間工場』と呼んでおる。なければ困るし雑菌が入ったら社会問題だ」 |
草薙素子 | 「雑菌が雑菌を恐れるのか?」 | |
オペレーター | 「研究所の電脳からハックされたHC・25設計図。証拠がないので踏み込めないんです」 | |
草薙素子 | 「『盗め』?『殺せ?』」 | |
オペレーター | 「とんでもない!イザという時の制圧処理と『逮捕』が目的です」 | |
草薙素子 | 「証拠も令状もないのに公式?・・で、なぜここにあると?プロのハッカーを潜らせて・・・失敗したわけね」 | |
オペレーター | 「同調(シンクロダイブ)して確かめます?」
「ここの中央電脳防壁は巧妙な疑似体験の迷路で侵入できませんでした。でもアタリは確かです。」 「研究所の中央電脳用暗号鍵の管理者がここの出身ですから」 |
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草薙素子 | 『サル部長め、ガセネタを強引に攻めさせ法廷で私を叩く気か』
「いつまでもこんなふぬけた捜査ばかりしてられないわ」 |
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N | 聖庶民救済センターの内部がモニター画面に映し出される。内部では子供達が強制労働させられていた。 | |
オペレーター | 「なぜ人権擁護局が騒がないのかしら」 | |
070 | 草薙素子 | 「ここで造ってる浄水器は人権より重要だからね・・・大衆は残酷よ」 |
N(院長) | 「働くのが嫌なら学習コースへ行け。両方嫌なら市民カードは申請してやらん!野垂れ死にしたいか!!」 | |
草薙素子 | 「学習コースの映像は?」 | |
オペレーター | 「無いんです・・・」 | |
草薙素子 | 「無い!?・・・聞いたか部長!いい部下をたくさん持ったな!」 | |
荒巻 | 「なあ少佐・・いつまでも突っ張っとらんで公安部に来んか?」 | |
オペレーター | 「少佐、ライン4に学習コースの映像入ります」 | |
N | 装置に繋がれた少年達の姿が映し出される。突然、一人の少年が何かに怯えるように装置から逃げ出した。そこで映像は切れた。草薙はオペレーターの顔を壁に押し当てて怒鳴った。 | |
草薙素子 | 「おい!ありゃただの学習装置だ!ふざけやがって一体ど・・」 | |
バトー | 「待て・・脱走の非常ベルだ」 | |
080 | 草薙素子 | 「だから何だ」 |
バトー | 「気になる・・・切れる一瞬前『捕まったら何もかも終わって楽になる・・』って感じしなかったか?」
「トグサ、イシカワ。脱走小僧に子グモを仕込め」 「最悪の事態が生じた時これで言い訳できる。合理的だろ?」 |
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草薙素子 | 「責任とってお前は引退、部隊は存続か?・・・そう甘くは無いさ。心遣いには感謝するが・・ね」 | |
N | トグサとイシカワの乗ったフチコマが施設の敷地内に潜入し、中に立つ警備員を眠らせる。
少年が逃げてくる。後ろから忍び寄り首筋に子グモを仕掛けた。 |
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N(イシカワ) | 「少佐、ここの警備員は相当改造した佐川重工の2033式だ。陸自の特攻隊が特注したタイプだぜ」 | |
草薙素子 | 「ヤミ手術の同型サイボーグだろ」 | |
N(イシカワ) | 「官給品の光神経も使ってるぜ」 | |
バトー | 「じゃあここは政府の施設だ・・」 | |
草薙素子 | 「我々が突入すれば命令を出したサル部長は辞職か・・・・話がうますぎるよ」 | |
バトー | 「この構図は妙だな・・」 | |
090 | N | 警備員達が気を失って倒れている少年を見つけて足で小突く。 |
警備員 | A「貧血でも起こしたか・・あっけない幕切れだったな・・脱走3回は『洗脳』なのによ」
B「本人が一番よく分かってるさ自殺志望だろ・・。気圧に負けたら道は二つ。洗脳か死だ」 |
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草薙素子 | 「政府の洗脳センター・・・・公安はなぜ我々に公式捜査させたいのか・・・」 | |
バトー | 「ワナだ。サルの命令は存在しなかった。お前、疑似体験をかまされたのさ」 | |
草薙素子 | 「私の防壁素子はそんな安物(チープ)じゃないわよ!」 | |
バトー | 「どのみち突入はスキャンダルネタになる。火の粉をかぶるのは、どっかの政治家か我々か・それともセンターの子供らか・・」 | |
N | 一瞬、考えた後、草薙が号令をかけた。 | |
草薙素子 | 「全員、突入用意!洗脳装置が顔を出したら突っ込むぞ!」
「いつの時代にも我々の様な部隊は必要だ。だから失うものは無い。スキャンダル工作、政治家の足の引きあい、子供の洗脳。そういうクソ野郎共を一掃するためサルと取引したんだ。やってやろうじゃないの!」 「そうしろと囁くのよ・・私のゴーストが・・」 |
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N | 気を失った少年を抱え上げる警備員達。その目に配水管の蓋がずれているのに気づいた。 | |
警備員 | 「大至急、排水路を封鎖しろ。枝がついてる!」 | |
100 | 草薙素子 | 「気付かれた!トグサ、緊急脱出!敵は同業のプロだ。通信を攻性防壁モードに切り替える」
「パズ、サイトー、トグサを連れ出せ。イシカワは援護!ボーマは退路を確保。私とバトーが援護する!」 「何してる、敵の攻性防壁にやられるぞ!」 |
オペレーター | 「ロ・・ロックされてますう!」 | |
N | 捜査に手間取るナビゲーターに草薙の声が飛ぶ。その時、ナビゲーターの体が電撃に撃たれたようにピンと硬直し口から血を吹きだしてシートに倒れこんだ。 | |
草薙素子 | 「行くぞ!バトー、そいつはただのスピーカーだ。公安部が修理するさ」 | |
バトー | 「新しい擬似人格(プログラム)を注入してか?ゴーストがないお人形(ロボット)は悲しいね」
「特に赤い血を流すタイプはな・・・」 |
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警備員 | 「変だ・・ゴーストが焼ける時の抵抗感が無かった・・・俺が焼いたのは人工知能(AI)か!?・・敵は遊び半分のハッカーじゃない。プロだ!」 | |
N | トグサの乗ったフチコマが配水路の中を走っている。配水管の上部、側面から防御柵が伸びてくる。それに激突し、フチコマが大きく変形し止った。 | |
草薙素子 | 「おい、どうしたトグサ・・ト・・・いてて・・くそォ!肝心な時にこの不良聴覚素子め!」 | |
N | 排水口から漏れた衝撃音を聞きつけて警備員達が走ってくる。その足元をイシカワの機銃が撃った。怖気づく警備員たち。警備員は蜂の巣にされて吹っ飛んだ。
排水口にパズとサイトーが駆けつける。そこで大破したフチコマを発見する。 |
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草薙素子 | 「叩き起こしてそこから離れろ」 | |
110 | N(サイトー) | 「外へ?」 |
草薙素子 | 「バカッ!侵入すんのに決まってるだろ!」 | |
N | 「バズとサイトーがトグサのフチコマをワイヤーで引っ張り出している時、いきなりイシカワのフチコマが2人に機銃を撃ってきた。
警備員がフチコマにまたがり洗脳装置でイシカワの脳に潜入していた。 |
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草薙素子 | 「フチコマ、回線を切れ!自閉症モードに・・」 | |
N | 警備員が草薙の脳に侵入を試みる。目の前に施設の塀が迫る。草薙を乗せたままフチコマが激突し、草薙は振り落とされる。 | |
草薙素子 | 「攻性防壁より早く侵入できるとは!」
『フチコマ!奴が使ったゴースト侵入鍵(プログラム)を複製して逆流させろ。アクセスしたら攻性防壁を突っ込んでやれ!」 |
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N | フチコマから送られたプログラムによって警備員の洗脳装置が爆発した。ふっと我に返るイシカワたち。 | |
警備員 | 「危ねえ危ねえ・・身代わり装置(アクティブプロテクト)をつけといてよかった・・・あのヘンな女隊長をおさえねば・・」
「ワワワ!!・・姿も音も熱も無い?京レの「隠れ蓑」か!?」 「わかった降参する!脳は傷付けないでくれ!!お互いプロだろ、仕事でやってるだけだぜ・・」 |
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草薙素子 | 「洗脳装置とゴースト侵入鍵(プログラム)素子・・」 | |
警備員 | 「わ・・わかった渡す・・別に大事な物じゃない・・」 | |
120 | 草薙素子 | 「5時間ほど前ハッカーを焼いたか?」 |
警備員 | 「それは知らん・・もし焼いたとしても通常の対応だよ・・あんたら一体何なんだ!?」 | |
草薙素子 | 「洗脳なんてのが大っ嫌いなゴーストさ。電脳倫理侵害現行犯で逮捕する」 | |
警備員 | 「こッ・・公安?バカな、公安部ごときに何が出来る!?変わらんぞ!施設も、洗脳も!」 | |
N | 草薙たちの見入るモニターに荒巻が映っている。 | |
荒巻 | 「そう、あれは政府の洗脳施設の一つさ。私欲の為、独走を始めたので他への見せしめになってもらった。これを理由に辞職した2人の議員はNATOのスパイだ・・。内務大臣(ボス)が直接話したいそうだ。切り換えるぞ」 | |
N(内務大臣) | 「やあ、草薙少佐、少々派手にやりすぎたな」 | |
草薙素子 | 「派手になるとご存知だった筈です・・。」
『・・おい、例の素子持って来い』(小声) |
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N(内務大臣) | 「君の言ってた・・えーー・・何だったかな・・。そう、特殊部隊設立の件だが、今回の様な事があると・・その何だ・・難しいなあ・・まあ、君の出方次第によって・・・」 | |
草薙素子 | 「大臣(ボス)、2秒だけ有線させて頂けませんか?」 | |
130 | N(内務大臣) | 「2秒ならかまわんよ」 |
N | 大臣の首筋にプラグが挿入される。と、いきなり大臣は自分の右手を振り上げ、自分の顔面をおもいっきり殴った。大臣は椅子から転げ落ちた。 | |
草薙素子 | 「さらば、わが軍役の日々よ・・公安部の使い走りになるくらいなら転職するわ。転属の推薦状は書いてやるから安心しろ」
「一杯つき合え、バトーは報告書」 |
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N | バーで酒を飲んでいるところへ荒巻が現れた。 | |
荒巻 | 「いいパンチだったな」 | |
草薙素子 | 「勝者にカンパイ!」 | |
荒巻 | 「わしと大臣(ボス)の考えは違う」 | |
草薙素子 | 「そりゃそうだろ、ボスは私が突入するかしないか試したりしない」 | |
荒巻 | 「大臣は怒り狂って部隊の即時解散を決定したぞ。書類の提出は昨日づけだ。国防大臣の署名入り」
「お前に知らせる事が2つある。いい知らせと悪い知らせだ」 「国際的対テロ機関の予算が出たといったろ、あれはウソだ。お前の申請額の約3倍の規模で国際救助隊が設立される。これで民間人殺しの自衛隊とか薄情大国とか言われなくてすむ・・・というのはたてまえで・・・・予算の8割は『攻殻機動隊』の創設資金となる。上は首相だけ、責任はわしが持つ・・・階級なしの実力主義・・・最優先ライン、犯罪の芽を捜し出しこれを除去する・・・お前やわしが心から望んでいた攻性の組織だ。質はお前達次第だが・・。」 |
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N | 草薙は唖然としている。しばらく見詰め合う荒巻と草薙。荒巻がバーテンにコインを投げて渡す。 | |
140 | 荒巻 | 「こいつらにもう一杯ずつ同じ奴を」
「明朝6時、その誓約書に目を通しサインし持って来い。8時には全洗脳装置の回収作業に立ち会う。ムダ使いなんで予算を切られたんだ。まっとるぞ。」 |
N | 荒巻がバーの外へ出て行く、それとすれ違いにバトーが店内へ入ってくる。 | |
N(イシカワ) | 「してやられたな、ボスも施設も・俺達も・・」 | |
N | 草薙は心なしか嬉しそうだった。 | |
バトー | 「笑うならもう一つ面白い事があるぜ。すぐそこでサルおやじの車見つけたんでタイヤに花火仕掛けてやった!」 | |
N | ドキリとする草薙とイシカワ・・その時、店の外で爆発音が轟いた。草薙たちはあわてて外へ飛び出した。 | |
草薙素子 | 「部長!」 | |
荒巻 | 「ご苦労だな、パンク修理か?車両課に回せ明日遅れるな」 | |
N | 荒巻は小型スクーターで走り去っていく。 | |
草薙素子 | 「くそォ、またスカされた。部長ッッ!!」 | |
150 | N | スクーターを止め振り返る荒巻。・・草薙が可愛くつぶやく。 |
151 | 草薙素子 | 「おほほほほほ・・高給、払ってね」 |
劇 終