UFOロボ グレンダイザー
第25話 「大空に輝く愛の花」


円盤獣が地球に墜落。調査に訪れた大介と甲児は、ベガ軍兵士に追われていた少女を助けた。彼女の名はナイーダ、大介と同じフリード星人で、彼のかつての恋人だった。ナイーダの弟は、ベガ連合軍に寝返った裏切り者によって殺されたらしい。他でもないデュークフリードこそ、その裏切り者だというのだ……。
OP 「とべ!グレンダイザー」(作詞:保富康午、作・編曲:菊池俊輔、歌:ささきいさおコロムビアゆりかご会
BGM 予告集-4  00:07 00:07 宇門大介役 サブタイトルコール 「大空に輝く愛の花」
001 SE
研究所計器類
ナレーション
宇宙科学研究所のレーダーが謎の飛行物体を補足した。
異常を知らせる波形が大きく振幅し、コンピュータからも解析データがはじき出される。

《研究所職員》
「所長、未確認飛行物体が急速接近中です」
宇門源蔵 「山田君、宇宙望遠鏡で拡大してみたまえ」
ナレーション モニターに写し出された燃えながら落下してくる謎の物体を見詰めながら宇門所長は考え込んでいた。

《研究所職員》
「隕石でしょうか?」
宇門源蔵
「いや、違う」
SE円盤墜落 ナレーション 《研究所職員》
「あ・・・所長、このままでは山麓の原生林に墜落してしまいます」

光る謎の飛行物体は轟音を上げながら研究所の近くの山の中へ墜落し、大きな火柱を上げて爆発した。
その音に驚いた大介とひかるが厩舎から飛び出してきた。
宇門大介 「どうしたんですか?」
ナレーション
《牧葉団兵衛》
「んぁ、大変じゃ、こんなでっかな火の玉が向こうの原生林に落ちた!」
宇門大介 「え!」
牧葉ひかる
「隕石かしら?」
010 SE
甲児TFO
ナレーション 《牧葉団兵衛》
「いやいやいや、UFOちゃんに間違いないんじゃ・・んぉ!」
ナレーション 大介達の頭上を兜甲児が操縦するTFOが研究所から発進して行った。
ナレーション 《牧葉団兵衛》
「おぉ!ツーと言えばカー!さすが甲児君じゃわい。しっかり見届けてこいやぁ!」
ナレーション 団兵衛の脇を大介がかけていく。近くに止めてあったバギーに飛び乗るとTFOの後を追った。
ナレーション 《《牧葉団兵衛》
「こら大介!、お前なんかいったって何の足しにもならないでしょ、もう!カムバック・ヒア!」
ナレーション 走るバギー、その先を行くTFOの中から、甲児が飛行物体の墜落現場を眺めていた。
兜 甲児 「こいつはすげぇや」
BGM 迫り来る危機 IN 00:00
ナレーション 山の中に巨大なUFOの墜落しているのを発見する。その甲児の目に、数人のベガ星人に追われる一人の少女の姿が目にとまった。
兜 甲児 「ベガ星兵士だ。ここを何処だと思ってやんでぇ!」
「ようし、こんにゃろ!」
ナレーション
甲児はTFOの風防ガラスを開けると機関銃を乱射する。次々とベガ星兵士を撃ち倒していく。
そこへ、バギーで駆けつけた大介も加わって、ベガ星兵士は倒されていった。
BGM 迫り来る危機 OUT 00:40
ナレーション 夕日を背に一人の少女が岩陰から姿を現した。美しい少女の姿を見止め、大介は驚いた。
020 宇門大介 「あぁ・・ナイーダ・・・」

「ナイーダ!ねぇ、君はナイーダだろ?僕だよ、デューク・フリードだよ!」
ナイーダ 「デューク?」
BGM se43+ IN 00:00
宇門大介 「そうだ、フリード星にいたデューク・フリードだよ」
ナイーダ 「あぁ・・・あなたがデューク?」
宇門大介 「デュークだよ、わかるかい?ナイーダ・・・」
ナレーション ナイーダは、フリード星のデューク・フリードの姿をダブらせた。
ナイーダ 「デューク!・・・あぁ・・・」
宇門大介 「ナイーダ!」
ナレーション 二人は互いの名前を呼び合いながら雪原をかけよると、強く抱き合い再会を喜んだ。
ナイーダ 「もう、会えないと思ってたわ」
030 宇門大介
「僕もだ」
「ナイーダ、よく生きていてくれた」
「君はフリード星の首都が総攻撃されたとき死んでしまったと思っていたんだ」
「しかし、・・・よかった!」
ナイーダ 「あぁ・・・」
BGM se43+ OUT 00:45
BGM ベガ星ショック 00:04
ナレーション スカルムーン基地。ガンダルの司令室にブラッキーが駆け込んできた。
ブラッキー隊長
「ガンダル司令!ガンダル司令!・・・ああ、ガンダル司令、大変です!」
ガンダル司令 「どうした」
ブラッキー隊長 「ベガ星から月へ向かっていた円盤獣が乗っ取られて地球へ激突しました」
ガンダル司令 「フリード星で捕虜にしたバロン家のナイーダが乗っていたはずだがどうしたかな?」
ブラッキー隊長 「は・・・あ・・・それが・・・」
ガンダル司令 「どうしたというのだ!」
ブラッキー隊長
「あ・・・兵士達に追わせたところ、いつものミニ円盤が現れ、残念ながらナイーダを奪われてしまいました。この上は直ちに総攻撃をかけ、あのあたりの牧場や林を徹底的に叩き潰してしまいましょう」
040 ガンダル司令 「ほっとけ!」
ブラッキー隊長 「は・・・しかし・・・」
ガンダル司令 「コレも作戦のうちだ」
ブラッキー隊長 「は?」
ガンダル司令 「敵を欺くには先ず味方を欺けというからな」
ブラッキー隊長 「ど・・・どういう事でしょう?」
ガンダル司令 「わざとナイーダに乗っ取らせたのだ。ナイーダとデューク・フリードは幼友達。必ず探し出すだろう。そのための作業はナイーダの脳に指令してある」
ブラッキー隊長 「脳に・・・」
ナレーション 夜、宇門宇宙科学研究所。ナイーダの独白を大介、甲児、宇門所長が聞いている。
BGM se45+ IN 00:00
ナイーダ 「恐星王国ベガに侵略されたフリード星はあれ以来、まさに地獄だったとしか言いようがありません」
「僅かに生き残った人々に残された道と言えば、強制労働と実験用のモルモット。そして、やがて訪れる絶望への死・・・そんな死が嫌で私は何回も脱出を企てたけど、その都度つかまった。でも、奇跡を信じてやっと脱出できた今、こうしていられるのも不思議なくらいだわ」
050 宇門大介
「・・・ナイーダ、もう大丈夫だよ、安心したまえ。ここに居る人たちはみんな良い人ばっかりなんだ。ここにいればフリード星の悪夢のような出来事をきっと忘れることが出来るよ、ナイーダ」
ナレーション 大介はナイーダの両手をしっかりと握りじっと見詰めた。そんな二人を部屋に残してそっと甲児と宇門所長は部屋を出て行った。
宇門大介 「ここには、昔のフリード星と同じように緑もある。朝日も昇る。そしてなにより尊い人の愛があるんだ。君の傷ついた心もやがて癒され昔の君に戻ることが出来るよ」

「いやぁ、昔のフリード星は楽しかったなあ。君と僕は子供の頃から兄弟のように育てられてきた。二人ともやんちゃで、よく両親に怒られたもんだ。でも君の弟程じゃなかったね。あぁ何てったっけなぁ、君の弟は・・・」
ナイーダ 「・・・シリウス」
宇門大介
「あぁ、そうそう、弟のシリウスッたらいたずら好きで、僕と君を作り物の蛇でおどかすつもりが、本物の蛇が木の上にいて、逆に木からスッテンコロリン!・・・はっ、あの時のシリウスったらなかったなぁ」
BGM se45+ OUT 00:52
ナイーダ 「・・・・」
宇門大介 「・・・どうした?」
ナイーダ 「シリウスは死んだわ・・・」
宇門大介 「!・・・死んだ?どうして!」
ナイーダ 「弟は殺されたわ。裏切り者によってね!」
060 宇門大介 「裏切り者だって!だれだそいつは・・・」
ナイーダ 「うぅ・・・!」
宇門大介 「誰なんだ!ベガ星の者か?!」
ナレーション ナイーダは首を横に振った。
宇門大介 「じゃ・・・フリード星の者か?!・・・そんな卑劣な奴がフリード星にいるのかい?」
ナレーション ナイーダの腕を掴む大介の手に力がこもる。
ナイーダ
「・・・い・・・痛いわ・・・うぅ・・」
宇門大介 「あ!・・あぁ・・・ごめん、つい興奮してしまって・・・」
「だが・・・その話が本当なら・・・その話が本当なら・・・そんな裏切り者、この俺が絶対に許さんぞ」
BGM 大介の苦悩-3 IN 00:00
ナレーション 研究所の屋上で、一人、ギターを爪弾きながら大介が月を眺めている。大介は、死んだシリウスを思っていた。
宇門大介 『シリウスの馬鹿野郎・・・何故、死んでしまったんだ・・・」
070 ナレーション ナイーダは部屋で一人ベッドに横になってはいるが眠れない様子で天井を眺めている。
ナイーダ 『デューク・・・・貴方が好きだったのよ、片時も忘れられなかったくらい・・・なのに・・・!!」
BGM 大介の苦悩-3 OUT 00:36
BGM 宇宙に不穏の影-2 IN 00:00
ナレーション 電気椅子に縛られ、ベガ大王によって洗脳を受けるナイーダ。電流が体中を走り、ナイーダは絶叫している。
気を失ったナイーダにベガ大王の声が響き渡る。

《ベガ大王》
『デューク・フリードは裏切り者だ』
ナイーダ 「違う・・・違います・・・デュークはそんな・・・」
ナレーション
《ベガ大王》
『静かに静かに、息を整えて・・・。わしの言う事を聞くのだ。デュークフリードは裏切り者だ。自分だけが生き残るためにお前たちを見捨ててグレンダイザーで逃げてしまったのだ。わかったな・・・』

『ようし、わかったら裏切り者を探しだしグレンダイザーもろとも葬り去らねばならない。よいな!』
『よろしい、忘れるでないぞ・・・』。
BGM 宇宙に不穏の影-2 OUT 00:52
ナレーション 翌朝、白馬にナイーダを乗せ二人で野山をかけてくる。
走る馬から大介はナイーダと一緒に草むらへ転がり落ちる。目を閉じるナイーダに野花をつんで、鼻をくすぐる
BGM se45+ IN 00:00
宇門大介 「こら、起きろ」
ナイーダ 「・・・は・・・うふふ・・・」
宇門大介 「・・・ははは・・・」
ナレーション ナイーダの右手が何かを隠し持っている。
宇門大介 「さぁ、かけっこだ。いくぞ!」
080 ナレーション ナイーダは駆け出す大介をじっと見詰めている。
宇門大介 「どうしたんだよ、早く来いよ、早く」
ナレーション 大介の呼びかけに答えないナイーダに大介がナイーダの所まで戻ってきた。
宇門大介 「もう、しょうが無いな。さ、手を引いてあげるよ。さ、行こう」
ナレーション ナイーダの手を引く大介。
ナイーダは左手にナイフを隠し持っていた。そうとは知らない大介はそのまま、ナイーダの右手を掴んで走り出した。
湖のほとりへやってくる二人。
大介が湖の沖に向かって叫ぶ。こだまが還って来る。大介はナイーダの名を大きな声で叫んだ。
宇門大介 「さ、ナイーダもやってみろよ。ほら」
ナイーダ
「あ・・・は・・・」
ナレーション ナイーダは大介にわからぬように震える手でナイフを湖に落とすと涙を流しながら、大きな声でデューク・フリードの名を叫んだ。こだまが何度もデュークフリードの名を呼んだ。
BGM se45+ OUT 01:15
ナレーション 夜、警備員の目を盗み、研究所のグレンダイザーの格納庫の中を怪しい人影が忍び込んでいる。ナイーダだった。
ナイーダ 「はぁ・・・・」
「ついに見つけたわ・・・グレンダイザーさえ無くなれば・・・」
ナレーション ナイーダは陽子爆弾を取り出すと時限装置を作動させた。
090 ナイーダ 「この陽子爆弾一個でグレンダイザーを粉々に出来るわ」
ナレーション 陽子爆弾を右手に持ち、グレンダイザーに近づくナイーダ。その時、天井の射出口から大介が飛び降りてくると、ナイーダの体を掴むと滑走路から格納庫の床へ転げ落ちた。
宇門大介
「ナイーダ!駄目じゃないか」
「もう一歩で君は黒焦げになってしまうところだったんだぜ。このグレンダイザーは僕以外の人間が近づくと自動的に排除するのを忘れたのかい。ナイーダ!」
「・・・何を隠している?」
ナレーション 大介はナイーダから隠し持っていた陽子爆弾を取り上げた。
宇門大介 「陽子爆弾・・・」
ナイーダ 「あ!!」
宇門大介 「何故こんなものを!何故なんだ!」
ナイーダ 「あなたを吹き飛ばすためよ!裏切り者を吹き飛ばすためよ!」
ナレーション 大介に掴みかかっていくナイーダを突き倒す大介。ナイーダは大きくのけぞって倒れた。
宇門大介 「はぁ・・はぁ・・・僕が、僕が何故裏切り者なんだ?」
BGM se43+ IN 00:00
100 ナイーダ
「忘れたなんて言わせないわ!」
「ベガ星連合軍の総攻撃を受けて、私達が逃げ惑い助けを求めてる時に・・・貴方はフリード星唯一の守り神グレンダイザーに乗って逃げてしまったじゃないの!」
宇門大介 「それは違う!僕は最後まで戦い、フリード星が全滅したのでやむを得ず地球に逃れたのだ!」
ナイーダ 「全滅なんてしてないわ!」
「げんに私はこうして生きてるじゃないの!」
宇門大介 「・・・し・・・しかし・・・」
ナイーダ 「言い訳はもうたくさん!・・・あなたは自分だけ助かるために私達を見捨てて逃げてしまった裏切り者よ!」
宇門大介 「ナイーダ!そ・・・それはあんまりだ!」
ナイーダ 「うぅ・・・あの日まで私はずっとあなたが好きだった。愛していたのに・・・うぅ・・・でも、もう駄目・・・裏切り者は絶対に許せないわ」
「あなたはそればかりか絶望の中で与えられたたった一つの生きるチャンスも潰しつつあるのよ・・・」

「あなたが得意になって叩き潰した円盤獣はフリード星人なのよ!」
BGM se43+ OUT 00:55
SE
陽子爆弾爆発
ナレーション 大介が衝撃のあまり手に持っていた陽子爆弾を取り落とした。ころころと転がったそれはドアの隙間から地下へ転がり落ち、爆発した。
宇門源蔵
「何の音だ・・・」
ナイーダ 「円盤獣にはフリード星人の脳が使われているのよ!」
「理性を殺されベガ星人に対する忠誠心を植えつけられた脳が!・・・まだ覚えてるでしょう。円盤獣ギルギルを」
「あれは私の弟、シ・・・シリウスよ!」

「円盤獣ギルギルは私の弟シリウスだったのよ!!」
110 ナレーション ナイーダが激しく大介を責め立てる。
その時、ナイーダの脳に埋め込まれたチップからベガ大王の声がこだました。

《ベガ大王》
『ナイーダ行け!憎しみの炎となってデュークフリードの息の根を止めるのだ!』

呆然とする大介にナイーダが襲い掛かる。手に鉄棒を掴み、大介の頭と体を滅多打ちにした。大介の額から血が吹き出す。大介は気を失い倒れた。
そこへ、宇門所長と兜甲児が入ってくる。狂ったように襲い掛かるナイーダに宇門所長が銃で狙い打った。ナイーダはばたりとその場に倒れた。
兜 甲児 「殺したんですか?」
宇門源蔵 「いや、ただのショック銃だ」
「さ、早く二人を医務室へ」
ナレーション 手術室。甲児がナイーダの頭の中にあるチップに気がついた。
兜 甲児 「所長、ナイーダの頭部に金属反応が・・何か埋め込まれているようです」
宇門源蔵 「う〜〜む・・・それを取り除けばナイーダは元へ戻るはずだ。よし、直ぐ手術に取り掛かろう」
ナレーション
その頃、研究所のレーダに円盤部隊がモニターされていた。

《研究所職員》
「あ!所長!かなりの数の未確認物体が地球に接近してきます」

大介は夢の中で、自分が殺してきたフリード星人の苦しみと無念さに襲わていた。

《研究所職員》
「所長!大介君が精神状態錯乱状態にあります!」
牧葉ひかる 「ナイーダさんが気がつきました!」
ナイーダ
「は!・・・デュークは何処!?デュークは何処なの!?」

「!・・・あなたは?」
牧葉ひかる 「大介さんの・・・いえ、デュークの友達よ・・・」
120 ナイーダ 「デュークは今、何処に?!」
兜 甲児
「君に殴られて今、治療中だよ」
ナイーダ 「私が殴った・・・?デュークを私が殴ったの?」
牧葉ひかる 「あなた、昨夜あった事、覚えて無いの?」
ナイーダ 「昨夜あったこと?・・・」
牧葉ひかる 「あなたがデュークを裏切り者呼ばわりしてグレンダイザーを爆破しようとしたのよ」
ナイーダ 「え!・・・私が?・・・」
宇門源蔵
「仕方が無いよ。君はこれで誰かに脳は指令を受けていたんだからね」
「安心したまえ。デュークフリードの怪我は大したことは無いよ」
ナレーション 嬉しそうに微笑み、ナイーダは宇門所長を見詰めた。
宇門源蔵 「・・・ただ・・・」
130 ナレーション 独居房の中で狂ったように叫び続けている大介がいた。
BGM 悲しみを超えて-1 IN 00:00
牧葉ひかる 「あのとおり精神錯乱状態になっているのよ。完全に自分自身の中に閉じこもってしまって、外からの刺激に対しての反応がほとんど無いの。さらに悪い事に生きると言う気力が感じられないの」
「危険だけれど助ける方法は電気ショックしか・・・」
ナイーダ 「私は何てことを・・・」
牧葉ひかる 「大介さん!」
ナイーダ 「あなた・・・デュークを愛しているのね?」
牧葉ひかる
「え・・・」
ナイーダ 「やっぱりそうだったのね・・・」
ナレーション 大介の狂ったような叫び声が続いている。
ナイーダ 「私も・・・デュークを愛しているわ。・・・あなた以上に・・・」
ナレーション ひかるはナイーダを見詰めた。その目をナイーダはじっと見詰めて決意を込めて小さく頷くと別れを呟いた。
140 ナイーダ 「じゃ・・・」
BGM 悲しみを超えて-1 OUT 00:48
ナレーション ナイーダが走り去っていく。後を追おうとしたその時、研究所が爆撃音に包まれた。ベガ星の円盤部隊が研究所に攻撃を仕掛けてきていたのだった。
兜 甲児 「よし、俺が替わりにグレンダイザーに乗ってやる」
宇門源蔵 「甲児君!」
ナレーション 雪原をなきながらナイーダが走っている。
ナイーダ 「ごめんなさい。デューク!辛い思いをさせて!本当にあなたが好きだったわ!」
ナレーション グレンダイザーの滑走路を走る甲児。ダイザーに近づくと甲児目掛けて雷撃が放射された。驚いて避ける甲児
兜 甲児 「くそ!駄目だ!近づくと威嚇しやがる」
牧葉ひかる 「大介さん以外は駄目なんだわ」
兜 甲児 「ようし、こうなったら!」
150 ナレーション 独居坊にいる虚ろな顔の大介。そこへ甲児がいきり込んで駆け込んでくる。
兜 甲児
「やい大介!・・・いや、デュークフリード!そんなところに自分の「からに閉じこもってる時じゃねえぞ!」
「目覚めろ!」
ナレーション 甲児は張り手で大介を殴りつける。何度も何度も頬を張るが大介の虚ろな顔に生気は戻ってこなかった。
兜 甲児 「目覚めろ!目覚めるんだ!」
「ナイーダが出かけたんだよ!責任感じてな!」
牧葉ひかる 「甲児君!乱暴はやめて!」
兜 甲児 「ひかるさん!ほっといてくれよ!」
宇門大介 「・・・ナイーダ・・・」
兜 甲児 「そうだよ!あんたが好きなナイーダだよ!」
「わかるか?大介さん!」
牧葉ひかる 「おじさま・・・」
宇門源蔵 「甲児君、仕方がない、危険だが電気ショックで意識を取り戻させよう」
160 宇門大介 「・・・裏切り者だ・・・俺は裏切り者なんだ・・・」
ナレーション 不時着して大破していたと思われたUFOは無傷だった。それに乗り、ナイーダがベガ星円盤部隊目指して飛んで行く。
BGM se45+ロングVer IN 00:00
ナイーダ
『デューク、ごめんなさい・・・。私達が滅ぼされたフリード星の悔しさと怒りを晴らせるのはあなただけだったんだわ。あなたは唯一の私達の尽きる事ない希望だったのに・・・摘み取るようなことしてごめんなさい・・・』
ナレーション コックピットの正面に円盤部隊の姿が小さく見え始める。ナイーダは陽子爆弾を取り出すと、コックピットのガラスに貼り付けるとキッと前を見詰めた。
ナイーダ 『私が今から作るチャンスで、逃げ延びることが出来たら逃げて!・・・そしていつか、きっと恐星ベガを・・・』
『そのためなら・・・そのためなら私の命など惜しくない・・・』
ナレーション 電気ショックカプセルの中でうなだれて座っている大介。治療が完了した。
兜 甲児 「あ・・・気がついた」
宇門源蔵 「大介・・・」
兜 甲児 「大介さん」
牧葉ひかる 「大介さん・・・」
170 宇門大介 「ナイーダは?」
ナレーション 甲児とひかるはだまってうつむいてしまった。立ち上がって行こうとする大介を甲児が支える。
宇門源蔵 「行かん、その体では無理だ」
宇門大介 「父さん、行かせてください」
ナレーション
大介は、甲児の腕を振りほどいて走って出て行った。見送る3人は複雑な思いで見送っていた。

ベガ星円盤部隊、それを正面に見据えてナイーダが操縦レバーを引く。
ナイーダ 「行くわよ・・・ベガ星連合軍」
デュークフリード 『ナイーダ!ナイーダ!』(通信)

「聞こえるかナイーダ」
ナイーダ 「はっ!」
デュークフリード 『聞こえたら応えてくれ』(通信)
ナイーダ 「デューク・・・良かった気がついたのね・・・」
180 デュークフリード 『ナイーダ、帰ってきたまえ、直ぐに戻るんだ』(通信)
ナレーション
ナイーダは操縦レバーを更に大きく引っ張る。ナイーダを乗せた円盤はスピードを上げながら円盤部隊の真ん中へ突っ込んで行った。
デュークフリード 「ナイーダ!やめろ!やめるんだ!!」
BGM se45+ロングVer OUT 01:32
SE
誘爆
ナレーション 激しく衝突するベガ星円盤部隊、陽子爆弾が眩しい光を放ち、ナイーダの体をキラキラ輝きながら取り巻き、激しい爆発を起こすと、ベガ星円盤部隊はその爆発の渦に飲み込まれ、円盤同士の誘爆を引き起こしながら次々と海へ落ちていった。
燃える炎を見詰めながらデュークフリードの目からはとめどなく涙が溢れてくる。
デュークフリード 「ナイーダ!・・・ナイーダ・・・・」

『ナイーダ・・・君に誓う。僕らフリード星の悲劇を繰り返さないために、全宇宙の平和のために、ベガ星連合軍を必ず撃滅して見せる事を!』
ED曲
宇宙の王者グレンダイザー」(作詞:保富康午、作曲:菊池俊輔、編曲:森岡賢一郎、歌:ささきいさお・こおろぎ'73

劇 終

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