ファンタージュ

男4人 女1人 ナレーション1人(男女いずれも可)
 PROLOGUE
001 天空に真紅に染まった真円の月が不気味に輝き、それは地上を赤く染め上げていた。
ファンターム城では、今、ファンタム王が気ぜわしくうろうろと部屋の前をうろつきまわっている。
  ファンタム王 「まだか・・まだか・・」
  グラハム 「王様、しっかりなさいませ。もうすぐ・・もうまもなくでございます」
  ファンタム王 「これが落ち着いていられようか。10年の歳月、この日が来るのをどれほど待ったことか」
  グラハム 「そのお気持ち、この国に住まう民、すべての気持ちでございます」
  ファンタム王 「今日というこの日を迎えられたのも、あのムゲン殿のおかげじゃ」
  時が過ぎ、天空にかかる月を雲が覆い隠していった。風が妖しく野を走り、雷鳴が空を切り裂いた。
ファンタム王の待つ部屋の扉が開き、男が入ってきた。
  ファンタム王 「おお・・ムゲン殿。喜んでくだされ、そなたの祈りによって妻が懐妊したのじゃ」
  魔導師ムゲン 「ムホホホ・・それはようございましたな。それで、いかがなさるおつもりですか?」
010 ファンタム王 「・・どういう意味じゃ?」
  魔導師ムゲン 「これは失礼しました。まだご存知ない事でしたな。この度の奥方様のご懐妊・・これは私の祈りの結果ではありませぬ。この子は呪われた子でございます」
  ファンタム王 「な・・何を申す!いかにムゲン殿とて、その言葉、聞き捨てならぬ。その言葉の真意、しかと心して申されよ」
  魔導師ムゲン 「産まれいずる吾子様は双つ児でございます」
  ファンタム王 「な・・なんだと・・」
  魔導師ムゲン 「もとより1人として産まれいずるはずが、その身と心が二つに分かち、産まれいずる呪われた双つ児でございます。天空に真紅の月を頂く時、王の一族に双つ児産まれたる国は、天に呪われた死の国になると古からの凶事として言い伝えられております」
  ファンタム王 「そ・・・そんな馬鹿な・・信じぬ・・わしは信じぬ。我が吾子が呪われた双つ児など・・」
  魔導師ムゲン 「信じる信じぬは、王のお考え一つ。この富み栄えるファンターム国をどうされるおつもりなのか、それは王のご決心に委ねるより他に術はございませぬ」
  ファンタム王 「・・・・わしに・・・どうしろと・・申すのだ・・」
  魔導師ムゲン 「双つ児はその身も心も一対でございます。双つが一つになる事が、自然の摂理でございます。ご決心していただきとうございます」
020 ファンタム王 「・・・わしに・・どちらか1人を消せと申すのか・・?」
  魔導師ムゲン 「王家の安泰の為、ひいては、御王国のご繁栄のためでございます」
  扉の向こうで、赤ん坊の元気な泣き声が響き渡った。その声を聞いたとき、ファンタム王は大きく目を見張り、耳を塞いで狂ったように嗚咽した。魔導師ムゲンが告げたとおり、それはふたつの赤ん坊の声であった。無垢な赤ん坊の声は2つが対をなして王宮中に木霊していた。

20年後、ファンターム城。ファンタム王が城の尖塔より城外を感慨深げに見渡している。
  ファンタム王 「・・・あれからもう20年か・・」
  グラハム 「王様、風が冷めとうございます。お体にさわりますゆえ、どうか中にお入りください」
  ファンタム王 「うむ・・。のう、グラハム」
  グラハム 「はい」
  ファンタム王 「わしの決断は間違ってはなかったのかのう・・」
  グラハム 「王様・・」
  ファンタム王 「今でもあの時の夢を見る・・そして夢の中でわしを責め立てるのじゃ・・」
030 グラハム 「王様、今もファンターム国はあの頃と何ら変わらず繁栄の時を謳歌しておりまする」
  ファンタム王 「うむ・・・」
  グラハム 「王女エルナ様もご立派になられました。今この国には何の憂いもございませぬ」
  ファンタム王 「うむ・・・ところで、この所、エルナが城外へ散策に出ることが多くなったと聞くが、どこへ行っているのじゃ?」
  グラハム 「はい。馬の遠駆けに山の方へお出かけでございます」
  ファンタム王 「男皇子がおらぬゆえ、気丈夫に育てたが・・エルナの男勝りにも困ったものよ」
  グラハム 「いえ、エルナ様のあの闊達ぶりは、城内はもとより、国中の民の活気の源となっております」
  ファンタム王 「そうか・・」
  ファンタム王は、遠く城外へ目をやった。その目の奥には、深い悲しみが沈んでいた。

ファンターム城より約10バーム離れた、山野を颯爽と馬にまたがりかけてゆく美丈夫の騎士がいた。ファンタム王が心配していた王女エルナだった。

やがて目の前に深い森が見えてきた。エルナは手綱を引き馬を止めると辺りを見回した。
  エルナ 「随分と遠くへ来てしまったわ。いったいどの辺なのかしら・・でも、凄い・・赤や黄色の葉が陽の光に照り映えてなんて綺麗なんでしょう・・」
040 エルナは吸い寄せられるように馬にまたがったまま森の中へゆっくりと入っていった。しばらく進むと泉があった。
泉はぽっかりと開いた木々の天窓から射し込む光によって水面はエメラルドのような光を放ちきらきらと輝いていた。
吸い寄せられるようにエルナが泉の水面を覗き込んだその時、水柱を高く吹き上げた泉の中から銀鱗をまとった大蛇がその真っ赤な大きな口を開き鎌首をもたげると不気味な2本の牙をむき出して威嚇する。ギロギロと光る黄色い目は一点、エルナを睨み付けた。
  エルナ 「な・・なんて大きな蛇・・」
  一瞬ひるんだものの、エルナは腰に提げた剣を引き抜くと、果敢にも大蛇めがけて斬りかかっていく。
エルナのはなった一太刀が大蛇の剛毅な銀鱗に撥ね返される。エルナの剣を持つ手がしびれる。
その時、大蛇の腹が二つに裂け、立ち尽くすエルナめがけて粘着性を帯びた網状の糸が吐き出された。エルナの体にそれが絡みつく。
  エルナ 「う・・動けない・・」
  体の自由を奪われ、次第に途切れ行く意識の中で、その視界に何者かが飛び込んできたような幻像を残し、エルナは意識を失った。
再び意識を取り戻した時、エルナはベッドの中にいた。かたわらには暖炉があり、くべられた薪がぱちぱちとはぜ、赤い火の粉を巻き上げながら部屋を照らしだしていた。
  エルナ 「ここは・・私は助かったの?・・」
  エルナは上半身を起こし、部屋の中を見回した。城内の生活から想像することは出来ない質素な小さな部屋だったが、その中に言いようのない暖かさと、峻厳さを感じ取り、エルナは心地よかった。
  エルナ 「いったい誰がここに住んでいるのかしら・・とても暖かい・・」
  その時、扉がきいっ、と軽い軋み音をたて開くと一人の男が入ってきた。部屋に入ってきた男の姿を見て、エルナが小さく声を上げると頬を赤く染めてうつむいた。
  エルナ 「あっ・・」
「申し訳ありません・・つい声を出してしまいました・・」
050 リュウケン 「起きていたのだな・・すまなかった」
  謝った男は上半身裸だった。暖炉の赤い火に照り映えるその鍛え抜かれた鋼のような筋肉の山からゆらゆらと湯気が上がっていた。
  エルナ 「いえ・・男性の方を見て声をあげるなど、不躾な事をしてしまいました。ごめんなさい」
  リュウケン 「気にする事はない。私はこのとおり目が見えぬゆえ、周りに無頓着なのだ。裸でうろついていた私が悪かった」
  エルナ 「気づきませんでした・・目が・・ご不自由なのですか・・」
  エルナがリュウケンの顔を見た。彼の顔には大きな横一文字の刀傷があり、両眼の部分を真横に切り裂いていた。エルナは息を呑んだ。
  リュウケン 「古傷だ・・・そなたは見かけぬ女性だな」
  エルナ 「見えるのですか?」
  リュウケン 「感じるのだ。その香る匂いから察するにそなたは華やかな都の住人なのだろう」
「この辺りは、妖魔が横行する魔の領域だ。迷い込むと一生抜け出すことは出来ぬ」
  エルナ 「申し訳ありません・・よろしければお名前をお教えください。助けていただいたお礼もしなければなりません。城へ帰ったら、父上に早速、言上いたします」
060 リュウケン 「城?・・・そなたは王家に関わるものなのか?」
  エルナ 「私は、ファンターム国の王女エルナ・ファンタムと申します」
  リュウケン 「・・・エルナ・・ファンタム姫・・・」
  リュウケンの顔に懐古の表情が一瞬浮かび次いで苦渋の表情が浮かんだ。
  エルナ 「どうかしましたか?」
  リュウケン 「いや・・礼には及ばぬ。たまたま通りかかったので助けたまでの事。今日はもう遅い、明日、陽が昇れば森の外まで案内しよう。そして、もう二度とこの森へは近づいてはならぬ」
  エルナ 「あなたに逢いに来ることも・・?」
  リュウケン 「ならぬ。私は現世との関係を絶ち、無間地獄を彷徨う罪人なのだ」
  エルナ 「あなたは立派な方です。その物腰、立ち居振る舞い、全てが優美で繊細です。罪人なのでは決してありません」
  リュウケン 「・・・ふふ・・・」
「今日はもう寝なさい。明日、日の出とともに送ろう」
070 エルナ 「おやすみなさい」
  翌朝、朝靄の中、陽の光を浴びながらリュウケンとエルナが森を歩いている。峻厳な朝の光が森中に充満し、昨日の禍々しい妖魔の気配は感じられなかった。
  リュウケン 「ここまでくれば、もう安心だろう。妖魔の手はここまでは届かん」
  エルナ 「ありがとうございます・・」
  エルナの何か言いたげな言葉を制して、リュウケンが先に釘を刺した。
  リュウケン 「昨日も言ったとおり、この森へは近づいてはならぬ。わかりましたな?姫様」
  エルナ 「・・・は・・はい」
  リュウケンの姿は再び森の奥へと消えていった。後姿を見送るエルナの目は、堅い決意を秘めているように見えた。
城へ戻ったエルナを、宰相グラハムが出迎えた。
  グラハム 「心配しましたぞ、姫様」
  エルナ 「ごめんなさい、グラハム」
080 グラハム 「昨夜はどこでどうしておられたのですか?ファンタム王も大変、心配されておりました」
  エルナ 「昨夜は、森の中におりました」
  グラハム 「森?・・あの、妖魔の闊歩するといわれる魔の森へ・・姫様は行かれたのですか?」
  エルナ 「はい。でも大丈夫でした。森の奥の小屋に住む、謎の盲目の剣士様が一緒でしたから」
  グラハム 「盲目の剣士・・?・・・それは一体、どなたなのですか?」
  エルナ 「残念ながら、お名前を伺うことはできませんでしたが・・あの風貌、風体から察してもただならぬお方だと感じました」
  グラハム 「・・・その剣士の顔に傷はありませんでしたか?」
  エルナ 「古傷だと言われてましたが・・顔の丁度、目のあたりが真横に真一文字に斬り込まれ、それが原因で盲目になられているようでした」
  グラハム 「まさか・・・その剣士の歳格好は・・いくつくらいでしたか?・・そう・・50を過ぎたような・・」
  エルナ 「いいえ、30歳を過ぎたぐらいの若い方でした」
090 グラハム 「そうですか・・・30過ぎの若い剣士・・・ならばリュウケン殿ではありえぬな・・・」
  エルナ 「リュウケン・・・?」
  グラハム 「・・・・・・姫様・・・今の話、誰にも申されますな・・よろしいですな」
  グラハムの思いつめたような声の迫力に押されて、エルナはコクリと頷いた。グラハムはそそくさと部屋を出て行った。
しばらくして、エルナの姿はファンタム王の部屋にあった。王はこのところ体調不良を理由に、床に伏す時間が長かった。
  ファンタム王 「エルナ、心配したぞ?怪我はしていないのか?どこも傷はないのか?」
  エルナ 「大丈夫ですわ。お父様」
  ファンタム王 「そうか・・よかった。お前が消えて居なくなるのではないかと・・気が気ではなかった」
  エルナ 「安心してください、お父様。私はどこへも行きませんわ。いつまでもこの地、ファンターム国に居ります」
  ファンタム王 「うむうむ」
  病気のため気が弱くなったファンタム王は、両眼から涙を流しながらエルナの手を握り何度も頷いていた。
それからしばらくの間、ファンタム王に心配かけないように振る舞い、エルナは遠駆けに出かけることもなく、城の中で過ごした。
そんなある日、ファンターム国へあの男が再び現れた。20年前のあの時と、寸分変わらぬ姿を留めたままであった。
100 魔導師ムゲン 「ご機嫌はいかがかな?ファンタム王」
  ファンタム王 「ムゲン殿・・・なのか?いかがな術を使いそのような以前のままのお姿なのですか?」
「わしはこの通り、20年という時間の中で老いさらばえているというのに・・・」
  魔導師ムゲン 「ムホホホホ、ファンタム王、わたしに死の時間は訪れぬ。永遠の時の輪の中をさすらうエトランゼなのだ」
  ファンタム王 「羨ましい・・・死の時がこないとは・・」
  魔導師ムゲン 「退屈なだけよ・・・」
「時にファンタム王・・・そなたに良い話と悪い話を持って20年ぶりにこの地へ参った」
  ファンタム王 「良い話と・・・悪い話?・・・」
  魔導師ムゲン 「ファンタム王よ、20年前のことを覚えているか?」
  ファンタム王 「忘れようとて忘れられぬ・・・ムゲン殿の進言に従い双つ児を・・・」
  魔導師ムゲン 「待たれよ、ファンタム王。わたしは何も言ってはおらぬ。ただ古き言い伝えを述べただけ、それを信じ、双つ児の片割れを抹殺したのはそなたの意思ではないか」
  ファンタム王 「何だと・・わしが勝手に決めた事だというのか・・ムゲン殿」
110 魔導師ムゲン 「その通り、お前が自分の意思で自分の子供を殺したのだ」
  ファンタム王 「違う・・わしは・・わしは・・・殺してはおらぬ・・・ただ・・・命令しただけだ・・・」
  魔導師ムゲン 「そうやってお前は自分の責任を他人に転嫁し自分を正当化しようとする・・・お前にこの国の王は務まらぬ」
  ファンタム王 「この国ファンタームはわしの国だ・・」
  魔導師ムゲン 「この国は滅ぶのだ」
  ファンタム王 「この国は滅びぬ!」
  魔導師ムゲン 「この国は滅びる。なぜならば、わたしが崩壊させるからだ」
  ファンタム王 「・・何だと・・!」
  魔導師ムゲン 「王の突然の死によって、指導者を欠いたこの国は、隣国の侵略にあい、民は死に、領土を奪われ、この地上から消滅するのだ」
  その言葉が言い終わる前に、魔導師ムゲンが右手に持つ杖でファンタム王の胸を突き刺した。
大きく眼を見開き、口から血をふきだし苦悶するファンタム王を薄ら笑いを浮かべながら魔導師ムゲンが見つめている。
120 魔導師ムゲン 「そうそう、良い話と悪い話を持って来たと言ったな。良い話とは、死んだはずのお前の娘、ルルナはわたしのもとで生きている。お前への憎悪に燃えながらな。そして、悪い話・・お前は今日死ぬのだ・・ムホホホホホホ・・・」
  その時、王の部屋の扉が開き、エルナとグラハムが飛び込んできた。
  エルナ 「お父様!」
  グラハム 「ファンタム王!」
  魔導師ムゲン 「ムホホホホ・・王は死んだ。この国はもう終わりだ。隣国の兵たちが越境して続々とこの国へ進軍してきている。聞こえるだろう、兵士たちの怒声に混じって民たちの嘆きの声が!」
  グラハム 「魔導師ムゲン・・貴様・・なぜこのような非道な事をするのだ・・・」
  魔導師ムゲン 「簡単なこと。退屈だからだ・・・わたしにとって20年など生涯の時間の中のほんの数秒にも満たないのだ」
  グラハム 「己の退屈しのぎに人を殺し、国を滅ぼすなど・・・許さん!」
  グラハムが剣を抜き取り、ムゲンに向かって突進する。グラハムの抵抗などムゲンにとって赤子の手をひねるに等しかった。グラハムは見えない力によって弾き飛ばされ、壁に激突し、床を激しく転がった。
  魔導師ムゲン 「無駄なこと・・・わたしには手を出すことなどできぬ」
130 エルナ 「グラハム・・グラハムしっかりして」
  グラハム 「・・・エルナ様・・・わたしはもう駄目です・・・あなたをお守りすることはもうできませぬ・・・あなたのご成長がわたしの唯一の楽しみでした・・・悔しい・・・です・・・姫様・・・」
  エルナ 「・・・グラ・・ハム・・・グラハム・・」
  魔導師ムゲン 「ふん・・死んだか・・・詰まらん・・・」
  エルナ 「・・・・魔導師ムゲン・・・許さない・・・父を殺し、グラハムを殺し・・そして民を殺し国を滅ぼすあなたを許さない・・・」
  魔導師ムゲン 「小娘が何を言う。お前もすぐにそこに転がっている男と同じ運命をたどるのだ」
  エルナ 「許さない・・・魔導師ムゲン・・・」
  エルナの周りにどす黒い邪気が取り巻き始める。ビリビリと空気が帯電し小さなスパークが起こり始めた。
  魔導師ムゲン 「・・・やはりな・・・姉のルルナにも発現した力・・もしやと思ったが・・この娘・・姉を遥かに凌ぐ力を秘めているやもしれぬ・・」
  空気が重くのしかかるように重圧感が増してきていた。と、その時、空気の比重が一変した。
140 リュウケン 「エルナ!自分をしっかり持て!心の闇にとらわれてはいかん!」
  エルナはリュウケンの腕の中にしっかりと抱きすくめられていた。エルナの意識がふっと途切れ、全身が脱力したようにリュウケンにその身を預けた。
  魔導師ムゲン 「もう少しのところで・・・貴様・・・リュウケン!生きていたのか・・・」
  リュウケン 「魔導師ムゲン、貴様の思うようにはさせぬ!」
  魔導師ムゲン 「面白い、やってみるか?・・・と言いたい所だが、今日のところは去ることにしよう。わたしには時間が十分にある。その娘の力の発現も確認できた事だ、ルルナとエルナ、必ず我が手中におさめてみせよう」
  リュウケンが手に持っている剛剣をムゲンに投げつける。剣はムゲンの体を貫き、そのまま体を串刺しにしたまま壁に突き立った。
  魔導師ムゲン 「ムホホホホ・・・こたえぬ。何もこたえぬわ・・・またあう時を楽しみにしているぞ。それまでその娘、リュウケン!お前に預けておくわ!ムホホホホホ・・・」
147 不気味な笑い語を残して魔導師ムゲンの姿は薄れ、かき消すように消えていった。

劇 終

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